家 政 夫

第22話 真実

「由宇哉！お願いがあるの！」

勢い良く由宇哉の部屋に訪れる私。

「うわっ！ビックリした！何だよ！」

「由宇哉、眞那斗と連絡取ってるよね？」

「連絡？あー、まあ」

「眞那斗に伝えて！話したい事があるから会いたいって！」

「それは良いけど。それだけで良いの？他には？」

「…強いて言うなら子供好き？って」

「子供？どう考えても子供好きだろ？家政夫してたんだし。あれだけ面倒見良くて子供が嫌いな訳ねーじゃん！」

「まあ…それもそうだよね？」

「送った。そのうち返事くるんじゃね？」

「ありがとう！」

「つーかマジ、どうしたの？」

「えっ？それは……」

「緊急っぽいし」

「まあ…一応…緊急ではあるけど早い方が良いかな？と思って…」

「ふーん…で？」

「えっ？」

「何が早い方が良いの？」

「…子供…」

「えっ？」

「お腹の中に赤ちゃんいるの」

「へぇ～…えっ！？赤ちゃん！？誰の！？彰さん！？」

「ち、違う！彰さんじゃなくて眞那斗…」

「眞那斗さんっ！？」

「…うん…」

「良かったじゃん！姉ちゃんやる事やってるもんな！返事来たら教える」

「うん。お願いね」

数日後─────

「姉ちゃん、ほら返事」

日程と場所の書かれたメモ用紙。

私は目的地に行く事にした。

「沙夜華」

ドキッ

「眞那斗…」

「元気そうじゃん」

「うん…」

「体平気か？」

「えっ…？」

「いや…何となくだけど…いるんだろう？お腹に」

「…眞那斗…」

私はゆっくり頷いた。

「お腹の子…眞那斗の子で間違いないんだよね」

「彰さんとは？」

「ない訳じゃないけど回数減ってきて今は全くないかな？彰さんも眞那斗の子だって、そう言ってた」

フワリと抱きしめられた。

ドキン

「だったら俺じゃなくて俺達の子で間違いねーよ」

抱きしめた体を離し向き合う私達。

「…沙夜華…もう離したくねーし離さねーから結婚前提で付き合って欲しい」

「…眞那斗…うん…でも…今の現状続けなきゃいけなくて…」

「知ってる。今、由宇哉と彰さんがタッグ組んでるんだって？」

「うん…」

「もうしばらくの辛抱だから。頑張ろうな。そして必ず幸せになろう」

「…眞那斗…うん…」

私達はキスをする。