第17話 眞那斗の存在~ 意外な告白~

「由宇哉!眞那斗と連絡取ったりしてる?」


由宇哉の部屋に訪れ、由宇哉に尋ねる。



「連絡?取ってないけど…どうして?」


「そう…それが住んでるはずの住所に眞那斗がいなかったから」

「そうなんだ…」

「一目会って別れたかったな…」

「…姉ちゃん…」


「由宇哉。あんたは後悔しない人生を歩むんだよ。私みたいな人生を歩んだら駄目だからね」


「姉ちゃん…今…幸せ…?」


「…どうかな…?人各々の感じ方や見え方次第じゃない?由宇哉は私見て幸せそう?」


「…それは…」


「…幸せって…一握りだから…」


「…姉ちゃん…」


「今の私の心は彷徨ってるんだ…右も左も真っ暗で見えないし未来なんて、どうなってるかなんて分からない。今、自分は何をしたいのか?何を求めているのか?」



「………………」



「…でも…ずっとこの人と一緒にいたい…そう思えたのは…眞那斗だった…私にとって眞那斗は凄く大きい存在だった…」


「…姉ちゃん…」


「なんて文句言っても仕方無いけどね。それじゃ部屋に行くね」





──── ある日の事だった。





「沙夜華さん。今、あなたの心の中には誰がいますか?」




彰さんとの車内。


彰さんの助手席に乗っている私に突然尋ねてきた。




「…えっ…?それは……」


「本当に、このままで良いんですか?これ以上あなたの関係を、このまま続けていくわけにはいきません」


「…彰さん…すみません…そうですよね……?」




彰さんは、車を脇に停める。



「彰さん?」



スッと片頬に触れる。



ドキン…




「…沙夜華さん…いいえ…沙夜華」




ドキッ



「私と結婚前提で本気で向き合って、付き合って頂けませんか?」





ドキン…



「…えっ…?」

「眞那斗君への想い、スパッと諦めて貰えませんか?」

「…彰…さん…」


「このままズルズルと今の関係を続けていては時間の無駄です。すぐに諦めて欲しいと私は願っています。駄目ですか? あなたと出かける度にあなたの色々な部分を見てきて、あなたへの想いが日に日に大きくなっていってしまいました」


「…彰さん…でも…私は…」


「…もう…彼の代わりは…私は耐えれない。私の傍に、ずっといて欲しい」


「…彰さん…」



「………………」



「…分かりました…私も無理を言ってる事は分かっています。私の我が儘だという事も…しばらく距離を起きましょう」


「分かりました…」


「ゆっくり考えられて下さい」


「…はい…」




私達は距離をおく事にした。

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