第16話 別 離

「彰さん」

「はい」


「今度…近いうちにニューヨークへ一緒に行ってもらえませんか?」


「えっ?ニューヨーク…ですか?」

「彼に真実を話します」

「真実って…」

「…お願いします…」

「分かりました」



私達は眞那斗がいる所に足を運ぶ事にした。



だけど……




「あれ…?おかしいな…突然来たから外出中かな?」



何回か呼び出し音を押すも出てくる気配がない。



「ちょっと待ってて」

「えっ?彰さん?」



彰さんは隣人に英語でペラペラと訪ねているのだろうか。


何かを話しているのは確かだ。





そして─────




「…ここの部屋は出て行って、今はいないらしい」

「えっ…!?……もしかして…お母様から聞いたのかな?」




それから.眞那斗と私は離れ離れになり別々の道を歩み始める事に

なり始め────




「沙夜華さん、このままで良いんですか?」

「えっ…?大丈夫ですよ…お気になさらないでください」

「…沙夜華さん…」





ある日の事─────




「お義母さん」


「あら?彰さん。どうされましたか?娘なら外出してますけど、もしかしてデートの約束されてましたか?」


「大丈夫です。沙夜華さんからは聞いています。お義母さんに話を伺いたくて」


「私?何かしら?沙夜華の事なら御本人に…」


「いいえ!あなたしか分からない事です。勿論、こちらで調べる事も可能ですが…」


「何を聞きたいんです?」


「沙夜華さんと眞那斗君の事です。2人は本当に兄妹なんですか?」


「……その事を知ってどうするおつもりですか?」

「どうも、こうも真実を知りたいだけです」



「………………」



「私は2人が兄妹とは思えない」


「アハハハ!…そうですよ!当たり前じやないですか!2人が兄妹なんて全くのでたらめです」


「…どうして、そんな…」


「2人を引き裂く為ですよ。あなたとの関係を優先して貰う。だから今、お陰様でお付き合いされてるでしょう?」


「…あなたは母親でありながら…実の娘に何を…」


「ビジネスです。この事は内緒ですよ。もし話をしたら、あなたの立場も悪くなり兼ねませんわよ」



「……………………」





人間は恐ろしい生き物


自分の為とか


会社の為とか



地位や名誉


権力やお金



どんな手を使ってでも


ありとあらゆる手段で


揉み消し


捻り潰す




一体何をここまで


母親を変えたのだろう……?




再婚して


母親は


変わってしまったのだろうか…?

















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