第15話 兄 妹!?~ 裏切り ~
「沙夜華、あなたに大事な、お話があります!」
「お母様?」
母親が私の部屋に訪れた。
「彼・飛比谷 眞那斗さんと、これ以上、お付き合いする事は出来ません!あなたには家元 彰さんという、きちんとした相応しい許嫁の方が、いらっしゃるでしょう?」
「お母様、私は彰さんと結婚は致しません!」
「どうしてです?」
「私は彰さんではなく飛比谷 眞那斗さんを愛しています!私達は相思相愛だし愛し合ってます!どうして私達の仲を引き裂くのですか?彼が気に入らないのですか?それとも他に理由があるのですか?」
「………………」
「あなた達は……兄妹です…!」
「…えっ…!?……兄…妹…?…嘘…ですよね…?」
「本当です!」
「……今更……だったら…最初から彼を雇わなければ…それとも知ってて…雇われたのですか…?」
「そうですよ」
「………………」
私は部屋を飛び出した。
「沙夜華っ!何処に行くのですか?沙夜華っ!」
「姉ちゃんっ!おいっ!…どういう事だよ…なあっ!ババアっ!2人が兄妹なんて嘘だよなっ!?」
「………………」
「何か言えよっ!」
「由宇哉。親に対して、ババアとは何です?もっと口を慎みなさい!」
そう言って母親は私の部屋を出ていく。
──── 兄 妹 ────
その言葉が
胸を突き刺すように
私の心は
すごく痛かった
空からは雨が降りだす
「……雨……」
宛もなくただ歩く街中
そんな姿を偶然見掛ける彰さんの姿があった。
「…沙夜華…さん…?」
そして───
「沙夜華さんっ!」
「…彰…さん…」
「どうされたんですか?こんなに濡れて風邪……」
私は彰さんの胸の中に飛び込んだ。
「…沙夜華…さん…?」
私は涙が溢れた。
「このままでは肺炎を起こし兼ねません。お屋敷の方に送り…」
「いいえ。あなたの、お屋敷に連れて行って下さい。自分の、お屋敷には戻りたくはありません…」
「…えっ…?」
「…お願いします…」
「…分かりました…しかし御心配されてはいけませんので私の方から御連絡はしておきますが、それで宜しいですか?」
「…はい…」
私は彰さんの、お屋敷に移動するのだった。
お屋敷に行き、シャワー室に案内された。
しばらくして私はシャワー室を後に部屋に移動。
「沙夜華さん、入りますよ」
彰さんが部屋に訪れた。
「大丈夫ですか?何があったのかは分かりませんが、私も聞きません。今日は、ゆっくりされて下さい」
「…………………」
そう言うと出て行き始める彰さん。
「…彰さん…」
「はい?」
私は着ていたバスローブを脱いだ。
「えっ…?沙夜華さんっ!?」
「…兄と…体の関係を持った私を抱いて下さい…」
「えっ…?兄…ですか?あの話が…」
「母親に…飛比谷 眞那斗さんとは兄妹と言われました…」
「えっ…?まさか!それは何かの間違い…」
「私も耳を疑いました。関係を持った後でしたが…その事は母親には話をしていません。家政夫として雇ったのも知っておきながら雇ったとの事でした」
「…沙夜華さん…」
「…本気で愛している人と兄妹なんて…だから…私は…彼とは結ばれない運命なのです…」
「…沙夜華さん、温めた体が冷えてしまいます」
そう言いながら
彰さんは歩み寄るとバスローブを羽織らせ着せ始めるも、その手を止め私はキスをし、ベッドに倒す。
「…沙夜華さん…」
「許嫁とはいえ誰とでも関係を持っている彰さんなら私の事も抱けるでしょう?…駄目…ですか?…兄と関係持った私は汚らわしい…」
グイッ
言い終える前にキスで唇を塞れ抱きしめられる。
「沙夜華さん…自分を責めないで下さい。あなたは何も悪くないです。自分を、そういう風に言うのは良くありません」
「………………」
抱きしめた体を離すと、私を起こしベットから降りる。
「着替えて下さい」
私は涙がこぼれ落ちる。
「…沙夜華…さん…?」
「…ごめんなさい…着替えて寝ますね…」
私は着替え始める。
「…沙夜華…さん…」
「はい?」
キスされた。
「…彰…」
再びキスをされ深いキスをしながら、ゆっくりと倒して行く。
「今日のあなたは凄く傷付いていらっしゃる。あなたには、そんな顔は似合いませんよ」
「………………」
「あなたを傷付けるつもりは、一切ありませんが、だけど…今のあなたを放っておけません」
再びキスをする。
「…彰…さん…」
私は彰さんを受け入れ身を委ねた。
ねえ……
眞那斗……
私達が兄妹なんて聞いたら
その真実
どう受け止める……?
そして……
この裏切りを
あなたは
許されますか……?
神様
天罰は私にだけにして下さい
彼を攻めないで
彼には幸せになってほしいから
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