第20話 勇者召喚(side:フルジリア)
時を少し戻してフルジリアでは…
王宮の中の大広間に国の王侯貴族が集まっていた
その中央には巨大な魔法陣
そして、魔法陣の上には1人の男性と3人の女性
「成功だ!」
誰かが叫んだのを皮切りに広間の中が歓喜に震える
「ようこそお越しくださいました勇者様方」
一番豪華な衣装を纏った男が4人に向かってそう言った
「勇者?」
「いかにも。私はこのフルジリアの王でジャッキーと申す」
「フルジリア?あんた何言ってんの?」
女性の中の1人がいぶかし気に王を見る
「王に対して何という…」
「かまわん」
怒りをあらわにした側の男をジャッキーは制した
「我が国は魔獣で溢れておる。騎士や冒険者では抑えきれなくなった今、我が国の守り神スムース様の助力を経て勇者召喚の儀を行った」
「召喚?」
「まって、それって…」
3人の女性が顔を見合わせる
「「「異世界召喚!」」」
3人の声が揃った
「テンプレじゃない?」
「いえてる。しかも3人揃ってとか最高」
「ってことはあれかな、ステータスとか見れ…た?」
1人が目の前の空間を呆然と見つめる
「まじで?ステータス!」
「ステータス!!」
残る2人もそう告げ目の前の空間を眺めた
+-+-+-+-+-
アキナ ワダ
性別:女 年齢:17 種族:ヒューマン (エトランゼ)
HP:1,000/1,000 MP:1,000/1,000
《スキル》
地魔法、風魔法、火魔法、水魔法、
《特性》
NONE
《サブスキル》
肉体強化、魔力強化、精神耐性、状態異常耐性、狂戦士、傲慢
《ユニークスキル》
翻訳
《称号》
勇者
+-+-+-+-+-
サキ オクタニ
性別:女 年齢:17 種族:ヒューマン (エトランゼ)
HP:1,000/1,000 MP:1,000/1,000
《スキル》
地魔法、風魔法、火魔法、水魔法、
《特性》
NONE
《サブスキル》
肉体強化、魔力強化、精神耐性、状態異常耐性、狂戦士、傲慢
《ユニークスキル》
翻訳
《称号》
勇者
+-+-+-+-+-
エミ リュウドウ
性別:女 年齢:17 種族:ヒューマン (エトランゼ)
HP:1,000/1,000 MP:1,000/1,000
《スキル》
地魔法、風魔法、火魔法、水魔法、
《特性》
NONE
《サブスキル》
肉体強化、魔力強化、精神耐性、状態異常耐性、狂戦士、傲慢
《ユニークスキル》
翻訳
《称号》
勇者
+-+-+-+-+-
3人はそれぞれに情報を教え合い違うのは名前だけだという結論に達した
「ねぇ、運転手さんのステータスは?」
エミが様子を伺っていた男に尋ねた
「…ステータス」
運転手は直後目の前を凝視した
+-+-+-+-+-
ナオト ツムラ
性別:男 年齢:25 種族:ヒューマン (エトランゼ)
HP:1,500/1,500 MP:1,500/1,500
《スキル》
地魔法、風魔法、火魔法、水魔法、回復魔法
《特性》
読書/上級者、計算/上級者、解体/マスター
《サブスキル》
肉体強化、魔力強化、精神耐性、状態異常耐性、狂戦士、傲慢、跳躍
《ユニークスキル》
翻訳、鑑定
《称号》
勇者、世界を渡る者
+-+-+-+-+-
「スキルは地・風・火・水であってる?」
「あぁ」
「じゃぁサブスキルは肉体強化、魔力強化、精神耐性、状態異常耐性、狂戦士、傲慢?」
「ユニークスキルが翻訳、称号は勇者で間違いない?」
「…そうだな」
ナオトは画面を見ながら“もれてはいるが間違っていない”という意味で頷いた
「もう一つ、HPとMPは1,000だよね?」
「…1,000はあるな」
「じゃぁみんな一緒ってことね」
濁した言い方をしたけど3人は気付かなかった
そんなやり取りをしていると広間にいた者からどよめきが上がる
「何?」
「HPとMPの我々の上限は100、勇者召喚されても通常であれば500のはず、他にもスキル・サブスキル共に知らされていたモノよりも多いのだが…」
ジャッキーは震える声で言う
「マジ受ける」
「私達、揃って超人じゃん?」
3人の女性がケタケタと笑い合っていた
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