第17話 狩り
「そう言えばメルテル、狩りに行くのにアネラが一緒で大丈夫なの?」
「問題ないわよ」
「ぺガサスは強い。高ランクの神獣だ」
2人からの即答が返ってきた
それなら安心かな
「成体になったら背中に乗れるわよ」
「本当?」
『空飛べるよ?』
「それすっごい楽しみなんだけど」
飛行機以外で空を飛ぶなんて考えてもみなかった
ペガサスの背で風を感じながら飛ぶってどんな感じだろう
「ミリア、ウルフの群れよ」
「了解。やってみる」
3体のウルフが離れたところから唸り声をあげている
「首を落とせるならそれが一番いい」
「じゃぁ…『ウィンドカッター』」
「ふふ…面白い程サクッと倒すわね」
「緊張感も何もあったもんじゃないな」
『ミリアすごーい』
「ありがとう。アネラ」
少し離れた場所から駆け寄ってきたアネラを抱きしめその毛に顔を埋める
気持ちい~モフモフ…
これは病みつきになるやつ
「お楽しみは後な。俺が解体するから真似する形でいいんだろ?」
「うん。よろしく!」
バッカスは頷いて手際よく解体していく
それを一通り見てから同じように解体する
嫌悪感がないのが不思議
「それは精神耐性のお陰ね」
「なるほど」
「その部分は骨に沿って縦に入れた方がいい。」
チョット固いと思ってたらそんなアドバイスが飛んで来た
刃の向きを変えると驚くほど簡単に進む
そんなことが何回かあったものの比較的すんなり解体を終えた
「いい感じだな。もう1体やってみ」
「了解」
残りの1体はさっきみたいに止まることなく解体することが出来た
「上出来。常に4足歩行の魔物は同じ感じで解体できる」
身体のつくりが似てるからってことかな
とりあえず解体した肉と必要な素材をアイテムボックスにしまう
牙やひげ、目玉も解体した物を格納済みだ
「不要なものは穴を掘って埋めるところまでが解体の作業だからな」
『そのままだと血の匂いで大変なことになっちゃう』
「大変なこと?」
「他の魔物が寄って来る。下手したら魔獣もな」
「それは困る。絶対埋めるわ」
「そうしてくれ。もしくはそのまま肉屋に持って行くか冒険者ギルドで解体してもらえ」
「登録してなくても解体してもらえるの?」
「問題ない。商人も買い取った魔物を解体してもらいに行くことがあるからな。それ用に解体倉庫側にも出入り口がある」
「へぇ…」
色々考えられているらしい
「向こうからフォレストバード」
「同じように首?」
「それが一番鮮度がいい」
「了解」
前方の木の上からこっちを伺ってるフォレストバードを見据える
『ウッドカッター』
頭上の枝が瞬時にフォレストバードの首を落とした
フォレストバードはそのまま下まで落ちて来た
「あら、面白い使い方するわね」
「こっちから攻撃してもかわされそうだし…それなら近い場所から攻撃した方が確実でしょう?」
しばらく練習して気付いたのは、魔法は必ずしも手元から飛ばす必要が無いってこと
イメージさえできればやりたい放題に近い
倒したフォレストバードはバッカスの指導できちんと解体を済ませた
私の場合はアイテムボックスがあるから必ずしも解体が必要なわけじゃないけど、その場で食べる場合なんかは自分で解体しなきゃならない
そのための練習としては充分かな
他にもフォレストスネークとホーンラビットを倒して解体した
少しずつ魔物が食材に見えてくるから不思議だ
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