幸福に溢れた人生



「社長にもなった俺が言ったら驚くか?オカルトを信じてるってさ。」


彼...Kさんがまだ若かった頃、

興味本意で霊能力者に霊視をお願いしたことがあったそうだ。


言うことがズバズバあたって驚いた。

とくに、

生まれた頃から強運であることを指摘された時には、この人は本物だと思ったらしい。


ただ、霊能力者は苦い顔をして

「あまり強運に頼らない方がいい。」と言った。


何故かと尋ねると

「貴方に強運を授けている背後のモノは、

正直良くないものだ。

強運に浸らせて幸せに太った心を

最終的には…げふっ。」


刹那のことであった。

突然、血を吐いたのだ。


「まあ、何があったかと言えば、突然にその先生の舌が切れたんだよ。

警察に事情聴取されたけど、俺じゃない、というか、他人が切れるところじゃないからって、帰された。」


Kさんはタバコを吸う。


「二十歳から吸ってる。病気もなしだ。昨日なんて、宝くじにも当たった。孫もいる。」


深く煙を吐き、手を震わせ

「なあ、何が俺に憑いてると思う?

この先何が待ってると思う?」

と泣いた。



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