第5話 クソ隠キャの願望は平たく言うと厚いのである。

曇谷さんの美少女パワーに引き寄せられて集まった凸凹4人組。

ファンタジー映画なら海賊の秘宝を探しに行くようなメンツだが、残念、これはラブコメです。そしてファンタジー映画にはヲタク枠は必須ですが、ラブコメにおいては邪魔でしかありません。俺にはクソ隠キャがメガネ外したら…的な特典もないですしね。

卑屈になるのはやめよう。ほらタイムリミットが近づいてる。

俺が次に探さなくちゃいけないのは、

「じゃあ部員は集まったことだし、顧問の先生を探そう」

そう言ったら、オキシドール金ぱ…風間さんが舌打ちしたんだけど。

要領悪くてごめんなさいね。ただね俺のようなクソ隠キャの気持ちになってみてさ、

『先生!俺、文芸部作りたいんです。顧問になってくれませんか?』

『やってあげたいのは山々なんだけど…部員が揃う当てはあるの?』

『…』

ってなるじゃん絶対。その時点で俺もう戦意消失だよ。もういいやどうせ俺はクソ隠キャで、そんなクソ隠キャの部屋に積まれた本が明日消えても、このくだらない世界は回るんだ。って思っちゃうわけよ。

だから少しでも傷つかないように部員集めからやった。

曇谷さんに断られるのは当たり前だからそこまで傷つかないからさ。

そしたら、マジかよ…って状況です。

だからオキシドール金ぱ…風間さんにもほんと感謝してるんだよ俺。

そんなことを考えていたら長いこと黙ってしまっていたようだ、突然質問された。

「クソ隠キ…先輩、顧問の先生って誰か目星ついてるんすか?」

そこまで言ったら最後まで言っちゃおうよチャラ…晴嶋くん。

それはさておき、目星はついてる。逆にこの人ぐらいしか頼めない。

だからこそ断られたらと思うと怖い。

どうか俺のバックの陽キャオーラに屈してくれ!!

雪路ゆきじ先生!!!」

曇谷さん以外の全員が息を飲んだ。

少しの期待と思い上がるなという視線。

なにせ雪路先生はぶっちぎりで男子からの人気ナンバーワン。

平たくいうと巨乳だった。

胸が平たくなかった…クソつまんねぇな。


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