第4話 情報は簡潔にすると傷つく。(ラブコメに不必要な俺の意見)
「文芸部に入っていいですか」
シャツの第一ボタンを開け、隙間からキスマークが見え隠れする奴と、
オキシドールで染めた安っぽい金髪、が失敗した赤毛の奴。
こいつら『本ってW』って言ってる人たちだよ絶対。
「ゴホン」
美少女、チャラ男、不良少女の視線が俺に集中する。
この咳払いは差別意識を加速させる自分の心を制止するためにしたのであって、別に注目を集めることが目的じゃなかったんだけど。
でもこんなこと隠キャにはなかなかない機会だろうから、せっかくだし俺よりも確実に
前向きになれる意見をよろしく頼むよ?
「ええっと、曇谷さん、この人たちは誰?」
「一番目が
…情報がえらく簡潔だ。
今俺が満足出来ていないのは愚か者だからなんだろうな。
愚か者の俺は質問を重ねる。
「ええっと、曇谷さんとはどういう関係?」
「クラスメイトです」
…情報がえらく簡潔だ。
今一番目の晴島さんがすごくがっかりした顔をしたのは…うん。察した。
「ええっと、とりあえずありがとう。頭数揃えるだけだし幽霊でも気にしないから、所蔵してくれるかな?」
3人に頭を下げとく。
マズイ、タイムリミットが近づいている。
「いやオレ本好きなので!!毎日行きます!!」
君が好きなのは本じゃなくない?
ていうか毎日はやめて?オレも行かないといけなくなっちゃうじゃん!
ていうかさっきから風間さんがこっち睨んでるよ。雲谷さん気づいてる?
天然美少女×イケメンチャラ男×メンヘラ不良少女、ちょっと待ってこれ俺必要なのかな。無駄な
申し訳ないけど本は置かせてもらうよ。
そのついでにヲタク枠でいいから俺も置かせてくれないかな。
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