20結婚式

 結婚相談所に登録しているので、当然最終目標は「結婚」、相談所では「成婚」が決まれば退会となる。結婚相談所を退会したその後は、各カップルたちの自由となるわけだが、大体のカップルが行うであろう「結婚式」について今回は考えてみたい。


「結婚式」というと、家族や親せき、親しい友達や会社の同僚などを呼んで盛大に行うのが私のイメージである。この年になるのに、実際の結婚式には一度も参加したことがないので、今の結婚式がどのようなものなのかはよくわかっていない。とはいえ、結婚式に結構なお金がかかることは聞いたことがある。


 まあ、別に結婚式にお金がかかるのは構わない。結婚ということを示す大事な行事だと思えばいい。しかし、私の中で問題となるのは結婚式に呼ぶ相手のことだ。


 そもそも、私には学生時代で今も連絡を取り合っている人間が一人も存在しない。これは前にも話しているが、交友関係が希薄な学生時代を過ごしていた。会社でも、辞めた人とは連絡を取り合うことはないし、会社の同僚とも会社以外で会ったり、連絡を取ったりしたことはない。


 そうなると、もし仮に私が結婚したとして、結婚式を挙げるとなったら誰を呼ぼうということになる。よくよく考えてみたら、私がよいなと思う人は大体、交友関係が広そうな感じがする。相手が結婚式に友達や同僚を呼びたいとなった場合、私は返答に困るわけだ。


 お見合いをしていても、自分の交友関係の希薄さを実感している。いろいろな話で盛り上がるわけだが、何回も会っていると、自然と今の生活や過去のことを話す機会も多くなってくる。そこで私の話題に登場する人物は、家族や親せきが多くなってしまう。相手が友だちとどこどこに行ったとか、会社の同僚に誘われてどこどこに行ったとか言われるのに、私の方は家族や親せきと……ということになってしまう。



 こういう場合、どうしたらいいのだろうか。たまに悩む時がある。私は別に学生時代に引きこもりだったわけでもない。なんなら、中学校は皆勤賞を取るくらいに学校を休んだことがない。高校も特に問題なく進学して、大学卒業後は正社員として会社に勤めている。


 きっと世間からみれば「普通」と呼ばれる部類の人間なのだ。ただ、学校に行っただけで友達作りをしてこなかっただけだ。それが今、こんなところで問題になってくるとは思わなかった。


 ただ、学校に通えばよいわけではなかった。学校に通ってただ勉強をするだけでは駄目だったのかもしれない。



 なんだか暗い話になってしまったが、友達がいないというだけで、実生活にはなんの問題もない。今は実家暮らしで両親と一緒に住んでいる。趣味はこうして自分の思いを文字にすること、マンガや小説、動画を見ることで退屈という訳ではない。


 ただし、こんな生活をいつまでも続けられるかというと多分無理だ。両親はいずれ私より先に亡くなるだろうし、現在勤めている会社は、家族経営でやっているような小さな会社で、後継者がいないのでいずれは廃業してしまう。


 そうなった場合のことを考えると、「結婚」という方向に思考が向かうのだ。


 さてはて、こんなことで結婚ができるのか。まあ、なるようにしかならないので気長に婚活を頑張っていこうと思う。


 ちなみに、今は家族婚というものもあるようなので、もし結婚相手が決まったらそれでもいいのかもしれない。

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