カースト上位の女子から「女の子が女の子を好きとかおかしいっ!」と言われてハブられたので、高校デビューをして百合を満喫できる部活を作ります!
第7話 仮だからといってカリカリしていても仕方がないっ! よーし いっくよー!!!
第7話 仮だからといってカリカリしていても仕方がないっ! よーし いっくよー!!!
チクタク……チクタク……カチッ。
私の正面には机に顔を
ここにいる全員が
カミーアさんが職員室に向かってから、五分、十分、三十分、ついには一時間が
広報部・百合の花は、まだ正式な部活として認められていない。
感動の
申請をしたところで、許可が下りなければそれまで……。
じりじりとした時間の流れを
「ねえ、マナちゃん」
むくっと顔を上げたミミさんが話しかけてくる。
「はい」
「行こっか、職員室」
「えっと……もう少しだけ待ってみませんか……?」
心にもないことを口にしてしまった。
行っても行かなくとも結果は変わらない。だったら、約束通りこの場所で信じて待つべき。……と、
私の返答が気に入らなかったのか、ミミさんはふくれっ
「行きたいと思ってるくせにー」
「それは……うー……」
「もういいもんっ! じゃ、あたしはクルミちゃんと行くから。ほらクルミちゃん、行こっ?」
ミミさんの呼びかけに対し、首だけをこちらに向けるクルミさん。その表情を見る
「行きたいのはやまやまですが……私たちが
「えー。あたしがいたら武力行使できるのにー」
はあ、どうなるんだろう……。
ガラガラッ!
私たちの目に飛び込んできたのは……
「やりましたっ! 広報部・百合の花、活動許可をいただきましたー!」
「よっし!」「やった!」「カミちゃんナイスですね!」
それぞれに喜びを噛み締めて、カミーアさんを
これで……これで……部活ができる……!
椅子に腰かけたばかりのカミーアさんに、私は手を差し出した。
……だけど、カミーアさんは手を出してくれなかった。そのまま、可愛い顔が一瞬にして
「どうかしたんですか……?」
「活動は認められましたが……部活としては、
「仮……?」
三人で声を
カミーアさんの顔には、申し訳ないという思いが
「広報部・百合の花の活動方針や、活動が将来の
説明を聞いたミミさんは、ガッと
「無駄な部費ィ?! SNSのリスクゥ?! あたしたちの将来を考えたら、そんな
「で、ですから。活動方針自体は
「……はあ。まずさ、部費のことをうんぬん言うのは
「そういうわけでは……」
いたたまれないよ……カミーアさんが……!
二人のそれは
「ミミさんの気持ちはわかりますが、ここは
「はい。どちらかというと、マナさんが言ってくれたことを、先生も言いたかったのだと思います。……広報部・百合の花が
「仮というのは、どうすればなくなるのですかね?」
「それは……十分な実績を出してから、って……」
……。十分な、実績……?
条件が
ミミさんほどではないにしろ、私の胸にも多少のモヤモヤが生まれていた。
私たちの心に
「やろうっ! やるしかないっ……! あたしも素直に受け止めきれないし、みんなも思うところがあると思う。だけど、やろうっ! あたしたちならやれるよ! あたしたちには、先生たちをあっと驚かせることができる、
呆れながらも微笑む眼鏡の委員長、カミーアさん。
とんがり帽とマントがお似合いな魔女見習い、クルミさん。
そして、落ちこぼれだった私。
この広い世界で、たった
ミミさんの言う通りだ。マイナスに
私は、手のひらを出して……ぎゅっと握った。
「手のひらに乗せられたチャンスは、いまこの
「流石はマナちゃんっ! 良いこと言うねっ!」
顔を見合わせる、カミーアさんとクルミさん。
「やろう! クルちゃん!」
「そうですねっ!」
四人の間にほどよい緊張感が生まれる。身が引き締まる思いとは、このようなときに使う言葉なのだろう。
「よーしっ! 方針も決まったし、早速だけど、部室に行こっか!」
そう言って
「ってかさ……部室……あるの……?」
た、確かに……。
ミミさんの問いに答えられるのはカミーアさんだけ。自然とカミーアさんに
注目されたカミーアさんは、わざとらしくため息を吐いてみせた。彼女の様子を見て、「部室もないの……?」と
すると。カミーアさんは、スカートのポッケに手を突っ込んで、お目当てのものを掲げた。
「部室の鍵、ゲットしました! 『
「あぶねー!」「ふぅ」「お腹空いたー」
一人だけリアクションがおかしい気もするけれど、とりあえず、私たちの部室は
よーしっ!
やるよっ!
行くよっ!
広報部・百合の花、
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