第5話 よーし、登下校後の作戦会議だっ!!
あれやこれやしているうちに日は
突然逃げ出したかと思ったら、その日に
……さっきまでの出来事を改めて
そんなこんながあって、もろもろがあって、かくかくしかじかがあって。
店の奥の席に腰かけたころには辺りは
テーブル席に通された。私は
さて何を注文しようか。ミミさんが代表してメニュー表を持ってくれる。
「二人とも、
「あ、あ、あ……アイスコーヒー?! お、大人ですね……。私は……うーん……迷いますね……」
クルミさんが
……っと、それよりメニューメニュー!
ミミさんが「ありゃー、ホットもあるのかー。うぉー、サイズも変えられるのかー」と
お腹はそこそこ空いている。でも、家に帰ったら温かいご飯が待っているからなあ……。
「
……ああ、こんな発想をするなんて、私、悪い子じゃん!
「うんっ! あたしはアイスコーヒーでいーや。店員さーんっ!」
手を
呼びかけに現れたのは、白いシャツと黒いエプロンの
ミミさんは「渋いなあ……」と
次は私か……。よし、ここは……!
「私は、カフェラテのSサイズを――」
「ナポリタン、カルボナーラ、ペペロンチーノ……いちごパフェ、バナナチョコパフェ!」
私の
……いやいや、パスタが多すぎるよっ! パフェも二つだしっ!
私とミミさんが「ええ……」と
まあまあ、何を
飲食物が並ぶ前に、私は話を切り出した。
「新たにクルミさんが加わってくれることになりましたが、カミーアさんをどう
ミミさんは考える
「クルミちゃんとカミーアちゃんを
「復縁……? そもそも、二人は……カ、カップルだったんですか?!」
「そこまではわかんない。クルミちゃん、そこんとこどうなの?」
ぐぅうう。
誰かのお腹が鳴った。
おそらく、というか絶対に、赤面しているクルミさんが犯人だろう……。
クルミさんは、下手くそな口笛を吹いてから、「はっ! そうそう、カミちゃんの話ですね」と思い出したかのように口にした。そして、
「カミちゃんとは中学が一緒だったんですね。カミちゃんは、当時から学業優秀で、全学のお手本という感じでしたね。私にとってもカミちゃんは
「やけにアダルティだな」「チュッ……? それって、あの、チュッ……?」
「……えっと、私とカミちゃんの関係性はそんなところですね。私は、お二人の計画に乗り気ですが、カミちゃんがまた逃げ出さないか心配で……」
「それは――」
ミミさんが言いかけたところで、「大変お待たせしました」とウェイターさんが注文の品を
私は、話が
ミミさんは「食べながら話そうか」と前置きをして、アイスコーヒーを一口飲んだ。
「まっ!
「百合部の活動目的ですかね?」
「ナイスマナちゃん! 可愛いねマナちゃん!」
「可愛いは関係ないです……」
「えっとねえ、うーんとねえ、そうだねえ……。もう百合百合したいからでよくない?」
「それじゃダメですよ……。
「うっ……。
「当然です」
カミーアさんをこちらに取り込むことができても、部活のことを学校側にどう説明するか、という問題が解決しないと、いくら生徒会長からの申し出でも
だけど……どうすれば……。
百合部を部活にしてもらえるような、正当な理由が何一つ浮かばないよ……。
ここは一旦、クルミちゃんの意見を
「はー、美味しかったですねー」
新入りのクルミちゃんが、さっき運ばれてきたはずのパスタとパフェをもう平らげたのだ。大食いで早食い……フードファイターの
顎が痛い。開いた口が
口ガン開きの私を見て、クルミちゃんは
「お腹、空かないんですかね?」
気になったところそこなの?!?!
「お腹はそこそこです……。それよりクルミさん、百合部の部活の説明のことで、先生たちが首を縦に振るような
「妙案……うーん、難しいですねー」
「私もお手上げです。こうして集まっているだけで楽しいので、いまのまま、ありのままの私たちの日常が、百合部の活動として認められたら嬉しいのですが……」
「ですねー。食べるだけの部活とか最高ですねー」
当然、私とクルミさんの脳内にハテナが浮かぶわけで。
ミミさんは、アイスコーヒーの残りを一気に
「妙案、だね!」
いたずらを
いじらしい可愛さに胸がときめきそうになる……。
窓ガラス越しの世界は黒に染まっていて、街灯の白さがさっきよりも
あともう少し。もうちょっとだけだから。
二人と一緒に話していたいな。
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