第1話

「ここはどこだ。」

俺は辺りを見回しながら考えた。

「あ、ここは俺の部屋だ。」

そこは俺が異世界に行くまで住んでいたアパートだった。

「何も変わらないな。」

キチンと整理された本棚。出しっ放しになっているゲーム。水に浸してあるお茶碗。それはまるで今まで生活していた感じだった。

「なんとか帰って来れたな。」

「さてこれからどうしようかな?」

そう俺が考えていると「ピーンポーン」とチャイムが鳴った。

「はーい。どちら様ですか?」

「大家です。」

俺は慌ててドワを開けるとそこにこのアパートを管理する大家さんが苦虫を噛み潰したような顔で立っていた。

「木村さん今まで何処に行ってたんですか?」と文句を言って来た。

向こうの世界とこっち世界では時間軸が違うらしく向こうの一年がこっちの一ヶ月らしい。

俺は向こうに四年いたので四ヶ月いなくなっていた感じだった。

「ごめんなさい。いろいろと嫌な事があったので旅行に行ってたんです。」

「そうだったんですか。でも事前に言ってください。」

「わかりました。ところで家賃って大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。銀行から引き落としてるので。」

「じゃ木村さん今度から気をつけてくださいね。」

と言って大家さんは行ってしまった。

「さて久しぶりにこっち世界で頑張りますか。」

そして俺は復讐する為に準備を始めた。

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