6話 金の告白
見事に見向かれてしまった。
俺は渋い顔で持っていた紙パックトマトジュースを飲んだ。
俺は結局、
ほんとはそれが正しいのだろう。
自分のが小説を書くようになったきっかけの人がこんな冴えない高校生だと思うと俺だとものすごくがっかりだ。
それにもしあの時言ってれば何か、変わっただろうか。
このつまらない青春が。
俺は大きくベンチにもたれかかり、背伸びをした。
後ろに人影を感じた。
「なにやってんのよ、あんた」
そこには金髪美少女エリナが俺をさげずむ目つきで立っていた。
「今日は学校にいるんだな」
「しょうがないじゃない。校長から登校しなさいって昨日怒られたのよ」
俺は彼女が少し困っている様子が可愛く感じた。
「なんでニヤついてるのよ、気持ち悪い」
そういってエリナは俺の横に座った。
周りの雰囲気が変化するのを感じた。
「えっと。
「そうだよ、なんか用事あるんだろ。さっさと言え」
俺はわざと不機嫌そうに言ってやった。
「わかったわ」
意外とすんなりと聞き入れた。めくじら立ててまた怒るのかとおもったら意外だった。
「あんた、甘いもの好き?」
「まぁ好きかな」
「具体的に言うと?」
「どら焼きとか和菓子かな」
エリナは小声で「意外...」といった。
「別にいいだろ、どら焼きおいしいだろ」
「まぁ、おいしいけどあんまり聞かないよね。どら焼き好きって答える人」
エリナはすこし笑っていた。
「いつも一緒にいる女の子はどうしたの?別れたの?」
初めは誰のことを言っているのかわからなかった。
返答に困った様子だった俺を見てエリナが「ほら、いつもズボンはいてる女の子」
「あぁ、いろはのことか。あいつは男だぞ」
エリナは硬直した。
「ガチで?」
「ガチで」
「あたしより身長小さいのに?」
「男…」
「あたしより地声高いのに?」
「…男」
エリナは顔をかくして笑うのをこらえていた。
深く息を吸い込んで「ならよかった」と言った。
こうして横から彼女をみると本当に美人だ。
だまているときだけだが。
「てかさ、なんかあたしら周りからカップルみたいに見えてるんじゃね」
俺はその一言ではっとしたのか周りをきょろきょろ見た。
二階のテラスから俺たちのことを見ている女子たちがいた。
そしてエリナが手をふると女子たちのキャーという喜声が聞こえてきた。
「あの人たちは?」
「あたしのファンクラブらしい。一か月登校してなかったらあんなのできてた」
エリナもうれしそうにニコニコしながら手を振った。
俺に対しても優しくしてくれよ。
そう思いながら俺は女子たちのことがうらやましく思った。
「まぁ、軽い話もここくらいにして本題を話そうか」
そういってエリナは今までの俺への態度からは考えられない、気持ち悪いほどの笑顔で言った。
「
俺の青春ヒロインは推し要素に溢れている 東小悠 @tosyoyu
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