晴彦が見た星空②

俺は北の空を見た。


北極星が目に入った。

佳織は、北海道から来ていた、肌の白い美人であった。


南十字星を見たい、そう言っていたっけ。

いつか沖縄に行く。その約束は叶わなかった。

あの後、佳織は北海道に帰った。



俺は南の空を見た。


水平線近くに、赤いアンタレスが輝く。

佳織は、『銀河鉄道の夜』が好きだった。

特に、サソリの火の話。

佳織は、自分の命が誰かの役に立ちますようにと、

いつも考えている子だった。

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