佳織が見た星空③
「あああぁ……」
私はまた、声を上げてしまった。
天の川って言葉自体は、小学生の時から知っていた。
でも、実際に見た天の川は、あまりにもスケールが大きく、私の想像を遥かに超えていた。
「これ、全部、星……」
「うん、今、佳織が見ている星は、数千年前の天の川」
「?」
「銀河系の中心部は、地球から光の速さで行っても数千年かかる距離にあるんだ。
だから、今、僕たちが見ている天の川は、数千年前に銀河系の中心部から出発した光。
たった今、数千年の旅を終えて、星の光は地球に届いた。
僕たちが見ている星は、今はその場所にはないのかもしれない。
今見ている星は、僕たちが生まれるずっとずっと前の星」
晴彦が星の知識を語り続けている。
私はそんなことよりも、空に輝く星の多さに、ただただ圧倒されていた。
私のお父さんやお母さんにも見せたいな……
そう思って、晴彦に聞いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます