佳織が見た星空③

「あああぁ……」


私はまた、声を上げてしまった。

天の川って言葉自体は、小学生の時から知っていた。

でも、実際に見た天の川は、あまりにもスケールが大きく、私の想像を遥かに超えていた。


「これ、全部、星……」


「うん、今、佳織が見ている星は、数千年前の天の川」


「?」


「銀河系の中心部は、地球から光の速さで行っても数千年かかる距離にあるんだ。

 だから、今、僕たちが見ている天の川は、数千年前に銀河系の中心部から出発した光。

 たった今、数千年の旅を終えて、星の光は地球に届いた。

 僕たちが見ている星は、今はその場所にはないのかもしれない。

 今見ている星は、僕たちが生まれるずっとずっと前の星」


晴彦が星の知識を語り続けている。

私はそんなことよりも、空に輝く星の多さに、ただただ圧倒されていた。


私のお父さんやお母さんにも見せたいな……

そう思って、晴彦に聞いた。

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