第151話 東南アジアなどの周辺国などと、外交関係を構築しておこう。
さてフィリピンのルソン島やセブ島、ボルネオ島のブルネイなどを抑え、南シナ海での活動の軍事や経済の拠点を築いた俺は東南アジアのインドシナ半島、マレー半島、ジャワ島、インド、トルコなどの周辺諸国との外交関係の構築に動いた。
「まずは反ポルトガル、反スペイン、反カソリックでまとまることが重要だろうからな」
「そのようでございますな」
この頃のベトナムは15世紀には一時期明によって制圧されて「交阯」"こうし"もしくは"こうち"と呼ばれたが、その後明軍を追い出した
だが、暴政によって16世紀には反乱が続発し、朝廷内の権臣が私兵を以て抗争を繰り広げるようになって、昭宗が海陽出身の武人である
それによりベトナムは黎朝を簒奪した莫登庸によって興された北朝(莫朝)が
「この地は落ち着いたゆえ、占城国(チャンパ王国)、阮氏広南国、鄭氏広南国、
「かしこまりました」
このあたりの国をすべて武力で服属させるのはとうてい無理だ。
フィリピンでは石器や竹槍など、使われている武器が原始的すぎたから、それにもある程度助けられているが、彼らは決して弱くなかった。
ベトナムやビルマなどは古くから中国と接しており度々侵略を受けていることもあって、兵もかなり精強だし、鉄砲もかなり浸透しており、火薬の原料である硝石も作っている。
さらにはベトナムの密林でのゲリラ戦では、元もアメリカも勝利をつかめなかったくらいだからな。
ついでに言えばベトナムやビルマのあたりは明の重要な朝貢国でもあるので、下手に手を出すと明を刺激しかねない。
マラッカ王国を滅ぼされた後、イスラム商人はポルトガルによって弾圧されているし、先住民も酷使されていてこのあたりではポルトガル人はかなり憎まれている。
なので、マラッカのポルトガルに対して手を組んで対抗し、お互いに商取引を活発に行おうという提案をするわけだ。
東南アジアでは朱印船貿易の渡航先になってる場所も多いがやはり南方の特産品も多い。
「マラッカに攻撃を仕掛けるのは出来ればオスマンと歩調を合わせたいしな」
またアチェ王国はオスマン帝国のスレイマン1世からの武器人員の援助を受けて、ポルトガル領マラッカへ何度も攻勢をかけたり、インドのグジャラート王国もオスマン帝国に救援要請を行って、オスマントルコはポルトガルと戦うためにインド洋に艦隊を派遣したりしている。
もっともこれはあまり成功しなかったようだが。
オスマンの艦隊は地中海や紅海での活動がメインなため、手漕ぎのガレー船がメインで、あまり外洋航海に向いている帆船がなかったからだろう。
ちなみにマラッカ王国の陥落には華僑がポルトガル側についたことが大きかったので、華僑も結構嫌われてるようだ。
だが、マラッカにおけるポルトガルの占領政策は、ポルトガルが課した高い関税や貿易上のさまざまな制約があった上に、ポルトガル人はマラッカの港市を城塞都市化し、市街地中心の丘に歴代マラッカ王の墓石を用いて監視塔をつくり、さらに、丘頂の宮殿をカトリック教会に改造し、逆らうものは木に吊るすなどたりするなどとても横暴なものだった。
なので、とくにムスリム商人はマラッカを敬遠しスンダ海峡を利用するようになり、東南アジアで最も栄えていたマラッカの港市としての繁栄は過去のものとなっていって寂れていったので華僑も利益を上げるということはできてないようだ。
「馬鹿な奴らだ、税を高く取って、現地民を弾圧したほうが結局は高く付くこともわからんのか」
原状ではアジアの貿易船はスマトラ北部のアチェ王国やジャワ島のバンテン王国の港を利用してマラッカは使われなくなっていっているのだな。
とりあえず近場のイスラム系の王国などは文句なしにマラッカへの攻撃での同盟に賛成なようだ。
ベトナムやアユタヤは内乱や戦争などでどうやらそれどころではないらしいが商取引は歓迎するとのことらしい。
「このあたりでも生糸や絹織物なんかは重要な商品だしな」
それではと、東南アジアに入り込んでいるポルトガル傭兵などの首に高額の懸賞金をかけて、それを持ってきたら金銀銅銭もしくは絹織物や刀剣等の望む品物を与えることにした。
ビルマなどは鉄砲で武装したポルトガル人傭兵が結構いるらしいが、それが高額の銭になるとなれば動くだろうな。
そしてオスマンやインドへの使者が戻ってくるのは来年だろうな。
その前にスペインの艦隊と戦ってフィリピンの守りを完全にしておこうか。
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