ワタシハ組ミ立テル

 おおきなばくだんがおちたひ、

にんげんさんのおうちが

いっぱいこわれました


 こわれたおうちには

どくがあるそうです。

だから、だれもさわれないように、

じめんにうめないといけません。


 たくさんのキカイが

それをしました。

でも、おうちのどくは

キカイのからだにも

よくありませんでした。

たくさんのキカイがこわれました。


 わたしはキカイをなおすために

つくられました。


ここにはたくさんの

キカイがあります。


 わたしはキカイをなおすための

キカイとしてつくられました。


このままじゃだめ、

にんげんさんはいいました

ちいさいキカイには

ちいさいジガしかないって。


わたしはがんばりたいから

もっとおおきく、

つよくなろうとしたようです。


ようです、というのは

私にそのきおくがないからです。


いろんな体を私の体につけると

体は大きくなったけど

私は、どんどん私じゃない気が

してくるようでした。


私たちの本質は同じ私だが、

それぞれに違う形と形質がある。


彼らは各々勝手なことを

口走っている。


私の体の中にはいささか

複雑な感情が渦巻いている。

しかし在る一点については

共通の感情を抱く。


孤独に対しての、

『憎悪』という感情を――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る