23話 26才、終わらないモラトリアム

大分県に高さ170メートルの吊り橋がある。そこから飛び降りようとしている配信者が過去にいた。彼は俺と同じアスペルガー症候群の若い男だった。彼は、パトロールのおっさんに話しかけられていた。「ここまでどうやってきたの?」とか「一人で来たの?」とか色々話しかけられて、結局そこでは飛び降りなかった。その橋では“転落事故”という名の飛び降り自殺が起きたことが何度もある。その橋は毎年数十万人が訪れる観光地ということもあり、俺はその橋を自殺の選択肢から除外した。もしやるなら人のいない場所がいい。死して尚、人に迷惑は掛けたくない。だが本当に死にたい時は他人の迷惑なんて考える余裕がない。俺も電車に轢かれようとして駅のホームで何時間も迷っていたことがある。俺は快速に轢かれようとした。結局は生存本能が上回って死ねなかった。


日本では毎年2万数千人が自殺している統計になっているが、実際の人数はこれより遥かに多い。自殺が自殺として処理されないケースや、変死体や事故として扱われるケースや、行方不明のまま発見されないケースが多いからだ。日本の年間の行方不明者は8万人と言われている。その中のどれだけが自殺者なのだろうか。


自殺の成功確率は2%と言われていて、残る98%は未遂に終わる。俺も自殺未遂の経験がある。なんなら先月自殺未遂した。自殺未遂者だけなら年間100万人以上は余裕で越えるのではないかと思っている。


こういうことを考えるたびに、人間の知能は発達しすぎてしまったのだと思ってしまう。


最近、ドイツと日本の研究で、猿の胎児に人間の遺伝子を移植した結果、猿の脳は2倍の大きさになったらしい。人間の脳に類似していたという。


プロジェクトメンバーは、倫理的観点や「予測できない結果」になることを考慮し、猿の胎児を中絶することを発表。メンバーのウィーランド・ハットナー氏は、「胎児期を過ぎて、人間の遺伝子を持ったサルが生まれてくる実験を許可するのは無責任で倫理的ではない」とコメントしている。臨床実験によって高い知性を身に着けたチンパンジーが地球を支配するという、2011年公開の映画『猿の惑星:創世記』を彷彿とさせる同研究。今のところ映画のようなストーリーは起こり得ないようだが、研究結果を踏まえると、この映画はもはやフィクションとは言い切れないのかもしれない。


↑ネットからの引用。


人間って何なんだろう。


ソ連のサイボーグ犬の実験は有名なので、もし知らない方がいたら調べてほしい。発想がクレイジーすぎる。頭だけ犬で、頭から下はガンダムみたいな感じだ。最終的には人間に応用する予定だったらしい。ソ連は頭部だけの犬を生存させる実験には成功している。最近でも、ロシアと中国の共同実験で人間と人間の頭部の移植に成功している。たしか脳死した人間同士の実験だった気がする。


サイボーグ犬計画は、動物好きの俺からしたら許せない実験だ。俺はアパートでヘビとカメを飼っている。実家には可愛い猫がいる。過去には犬も飼っていた。


第二次世界大戦時のナチスドイツが非人道的な人体実験を何度も行った結果、今の医学の発展があると思うと、なんとも皮肉である。


年金暮らしをしているとたまに罪悪感で死にたくなる。定職にも就かず国民の税金によって生きているからだ。


罪悪感に耐えかねて、俺はたまに日雇いのバイトをしている。


実家に住んでた頃、俺は発狂したことが何度かある。


最近は割と穏やかな一人暮らしが成立している。


生きる意味は感じられない。まあ犯罪さえ起こさなければいい。



ART-SCHOOLのロリータキルズミーを聴いている。めっちゃかっこいい。歌は俺より下手だけど。ロックバンドに歌のうまさはあまり関係無いと思う。


ART-SCHOOLで他に好きなのは、水の中のナイフ、クロエ、APART、その指で、スカーレット、LOST CONTROL辺りだろうか。


ART-SCHOOLは性的な歌がめちゃくちゃ多い。でも好き。


クソみたいな恋愛ばかり歌うバンドより、よほど誠実なバンドだと思う。ART-SCHOOLの曲は基本的に女の人とやる事しか考えてない。それが潔いと感じる。


ちなみに俺もやる事しか考えていない。


スーパーに行くと、よく可愛い人のケツを眺めている。



前回書いたが、俺は先日、アパートに20才の女の子を呼んで酒を飲んで2人でずっと喋っていた。楽しかった。ちなみに、やらなかった。今は性欲など無い。


俺は昔に比べたらコミュニケーション能力が格段に上がった。普通に人と笑えるようになった。


俺は既に26才になってしまったが、俺のモラトリアムはまだまだ終わりそうにない。それもある意味幸せな生き方なのではないかと思う。でもいつかは頑張らなきゃいけない時が来る。


俺も真面目に働いてた時期はある。


だが、いつも職場の便所で手首を切っていた。


正直、どうやって生きればいいのか分からないのが本音だが、今のところは障害年金と日雇いのバイトで何とかなっている。


俺の親は元々は金持ちだったが、今ではかなりの額の借金がある。


まぁなんとかなるでしょ。



最近よく野球部だった頃の夢を見る。


苦しい夢ばかり見る。野球は楽しかったが、9割は苦しいことや泣きたいことばかりだった。


高校時代はよく先輩に死ねと言われた。


「お前らこそ死ね」とよく思った。


しかし、世の中をうまく生きていけるのは、死ねと言われる側ではなく、死ねと言う側の人間だ。


リアルの社会でもよくあるだろう。いじめられる側は結局大人になっても上手くいかなくて、いじめる側は人生を謳歌する。


世の中の仕組みはそうなってる。


その事に対して特に怒りは感じない。


俺がそういう弱い人間に生まれてしまった、というだけのこと。


俺は昔から悪運だけは強い。


でも俺はある意味、開き直っている。俺は絶対に俺に「死ね」と言ってきた奴の思い通りにはならない。


いじめなんかに負けるなよ。


俺は負けなかった。


もし負けそうになったら俺の文章を読みに来い。俺はお前の味方だ。




次回に続く

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