駄話5

冬は団体で

 市治ちはるの勧めで晩御飯は天王町てんのうちょう駅前にある居酒屋"元康もとやす"で盛り上がった。

創和はじめ「じゃあさぁ、冬ボーのときは一緒にいこうぜ!」

育美いくみ、市治、架橋かけはし「さんせい!」

創和「寺ちゃんはどこ行きたい?」

育美「夏は源平だから冬は戦国。厳島いつくしま合戦めぐり」

創和「裏ルートに平清盛たいらのきよもりがいるじゃん。舞岡さんは?」

市治「あさみゅーですね」

創和「復元館に泊まりたとかワガママ言って、館員困らせるなよ」

市治「い、言いませんよ(ホンネは泊まりたい……)」

創和「私は長浜ながはま小谷おだに彦根ひこね佐和山さわやま安土あづち坂本さかもとと、琵琶湖一周お城めぐりかな」

市治「周りすぎですし、雪が降ったら終わりです」

創和「ぐ……。で、そらちゃんは?」

架橋「う〜ん、みんなで決めたとこ」

創和「おいおい、欲だしてもいいんだぞ」

架橋「温泉と美味しいものがあれば、大丈夫だねー」

創和「意外と旅の鉄板押さえたな。てか、やっぱりみんなバラバラだね」

育美「そりゃそうだよ。そもそもとっつきが違うもん」

創和「じゃあ、間をとって道後どうご城にすっか?」

育美「貴女が男と行きなされ……」

市治「といいますか、中に入ったら捕まりますよ」

創和「あはははは。冗談だよ、冗談」

架橋「???」

 行き先を決めるのは、今でなくでもいい。

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