駄話4

マイノリティのなかのマイノリティ

 深大寺から新横浜へ向かう途中、市治ちはるはとあるタバコ屋の前でレパードを停める。

「すみません、フォルテッシモヴェルベールひとつ下さい」

 タバコ屋のおばちゃんは申し訳なさそうに、

「ごめんね、それ、置いてないのよ」

 と言われた。

 

 右肩下がりに減り続ける愛煙家の中でも、この銘柄を知る者は更に少ない。

 だからこうして、取扱店を減らし続けている。

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