駄話3

警察が来た!?

 瀬沢古戦場の帰り、中央高速の双葉ふたばサービスエリアで休憩。

 甲府こうふ盆地の夜景は、とても綺麗だ。

 架橋かけはし創和はじめ育美いくみは休憩所の中でジュースを飲み、市治ちはるはひとり、外の喫煙所で一服。

 三人は瀬沢古戦場を振り返り、楽しくおしゃべりする。

 架橋はふと、市治のジュースがないと思い、気を利かせてホットティーを買い、市治がいる喫煙所へ向かった。

 そこで架橋は驚く光景をみた。

 市治が警察に囲まれてる。

 架橋は恐怖し、創和と育美のもとへ走って伝えた。

「た、た、大変っ! ちーちゃんが捕まった!」

「はぁ?」創和と育美は疑う。

 架橋は二人をつれて喫煙所へ行くと、警察はいなかった。

 ともかく、取り越し苦労に終わった。

 市治が三人に気づく。

「休憩終わりですか?」

 と、煙草を吸い殻に収める。

 架橋は心配した。

「あ、あれ、警察は?」

 市治は架橋の焦りを理解した。

「あそこです」

 と、指でさすと、サービスエリアの外にパトカーが停めてあり、サイレンを鳴らさずに引き上げていく。

 市治は、何事もなかったように言った。

「警視庁と神奈川県警は飼い慣らしましたが、山梨県警は初めてですね」

 架橋は安心すると、市治にとびつく。

「もう、心配しちゃったよー」

 架橋は頬と頰をスリスリさせた。

 密着は勘弁してほしいと、目を座らせる市治。

 架橋は少し涙目だ。

「まったくぅ、どうしてこうなるのよー!」

 と騒ぐも、市治は、

「さあ?」と、とぼけた。

 創和と育美は、簡単に予想できる。

ーーおチビだからさ……。

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