俺、焼き鳥には負けない! KAC20226
フライドチキンと焼き鳥、あなたはどっちが好きですか?コンビニに並ぶレジ前の、食べ物たち…選ばれるのは、どれだっ! 「勝つのは、俺(フライドチキン)だからっ!!」と言ったとか言わなかったとか…アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022用600~4000字#KAC20226
俺には、絶対に負けたくないヤツがいる。
それは・・・焼き鳥のヤローどもだ。
あいつらは、小さいくせに集団で固まって俺に食って掛かってくる。
「おいっフライドチキン。今日は負けねぇからな!見てやがれよ」
「やがれよ」「やがれ」「やがれ」
小さいやつらが、性懲りもなく鬱陶しい・・・
このコンビニのレジ前、ウォーマーの一番上にいるのは俺なんだよ!
いつも俺!常に俺!絶対に俺!わかれよ・・・いい加減。
誰も彼も、俺を!見て!涎を飲むんだよ。お前らじゃねぇの!
今だって、小さな男の子が俺をじっと見つめてるじゃねぇか。
そのつぶらな瞳は、けっして焼き鳥なんぞを見てんじゃねぇんだ。
俺は、かっちこちに固まった体でここに来て、しばらく暗くて寒い部屋に積み重なって寝かされてた。
その重なった一番下の冷たく冷えた板の上で、俺は決意したんだ。
絶対に、てっぺん取ってやるって!
お前らみたいな、ぽっと出の小さいやつらの塊になんて負けねえ。
お、さっき俺をじっと見つめてた男の子じゃねぇか。
早くお母さんに、食べたいって言いな?
焼き鳥なんかじゃなくて、フライドチキンさんが食べたいよ。って、ほら。
ってか、お母さんスゲー美人じゃん。
その綺麗な形のお口で、俺を齧ってくれよ。ガブッと、一気に半分くらい。
俺、結構いい仕事するんだぜ?
俺の衣、サクサクしてんだよ。んで、俺は柔らけーの。そそるだろ?なぁ。
因みに、しっかり良い汁出すんだぜ?溢れるほどの、ジューシーさで。
迷ってないで、俺にしろよ。後悔させねぇ。約束する。
だから、今すぐに俺を呼べよ。
・・・っなっんでっ!なんで、焼き鳥なんだよ・・・
そいつら、食いでないじゃん!
ちみっとしか食うとこ、ないじゃん!!
俺なら、満足させてやれるのに!!
俺だけで、腹いっぱいの大満足だぞ?
なんでだよ・・・なぁ・・・
ニヤついて何も言わずにウォーマーを出て行く、焼き鳥達の顔を俺は絶対に忘れない・・・
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