FUNKYなBEIJUだBABY! KAC20225
米寿のBBA、暗躍する…世の中、亀の甲より年の劫 アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022用600~4000字#KAC20225
88歳の私のおばぁちゃんには、秘密がある・・・
それは、この地域の情報を網羅する組織の会頭だと言うこと。
おばぁちゃんに聞けば、この町で起きているほとんどの事は、タイムラグがほとんどない状態でわかる。
おばぁちゃんが、秘密組織「FUNKYBBA」の会頭になったのは、昨年の冬の事だった。
昨年の夏、10代の私でも弱音を吐くような酷暑の中、おばぁちゃんがパソコン教室に通い出した。
コロナ過での自粛生活で、おばぁちゃんは前のようにゲートボールに出かけられなくなってしまった。
そのお陰ですっかりテレビっ子になってしまったおばぁちゃんに、私がYouTubeを教えたのがきっかけだった。
それまでも、私が教えながらガラケーは使っていたけれど、いつからかスマホに変えたい、パソコンが欲しい、とお母さんにおねだりしたと聞いた。
そんなおばぁちゃんに私は、自分の使わなくなったお父さんに入学祝いに買って貰ったノートパソコンを進呈した。
お母さんも、おばぁちゃんのボケ防止になるかしら?と、とぼけたフリで受け入れてくれた。
そこからのおばぁちゃんの行動は、早かった・・・
自分のブログを立ち上げ、ホームページ作成から管理・編集に定期更新と、どこの人気ブロガーかと思ったほど・・・
そして、ついに去年の冬・・・近所の70代・80代のおばぁちゃんたちで秘密組織「FUNKYBBA」を結成した。
活動内容は、ありとあらゆる出来事の情報を収集すること。
隣の夫婦喧嘩のきっかけや、向かいの妊婦さんの赤ちゃんの性別、斜向かいの旦那さんの浮気相手の素性まで、何でもかんでも特定しだした。
はっきり言って、やばいくらいに怖い。
私の就職先の人事まで、私への通達より早く知っていた時にはおばあちゃんが檻に入る夢を見たほどだ。
だから最近は、やり過ぎないようにと口を酸っぱくして言っている。
お願いだから、いつまでもこの町で元気にFUNKYBBAを続けてほしい。と、懇願してやっと町内の事だけに収める約束を取り付けた。
それでも、私の恋人を、このFUNKYなBEIJUのBBAに特定されるのも、多分もうすぐだと思うと気が重い・・・
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