第6話 くっ、すごいパイ圧だ!
――エステル騎士団長の〔おっぱいを支える係〕に指名されて、次の日。
俺は彼女と共に訓練場までやって来ていた。
人気のない時間を狙ったので、今は俺たちの姿しかない。
「それでは、今日は実際におっぱいを支えてもらいながら剣を振ってみたいと思います。いいですか、レンくん?」
「は、はい……」
これも騎士の務め……。
俺にしかできない役割……。
真面目に……真面目にやるんだ……。
エステル騎士団長のおっぱいを支えるだけ……支えるだけ……。
必死に自分に言い聞かせつつ、俺は両腕を上げる。
「では……行きます!」
「ええ、いつでも!」
「――【
スキルを発動し、見えざる手がエステル騎士団長のおっぱいを持ち上げる。
「ふぅ……あっ……♡」
微かに漏れる嬌声。
同時に俺の両手に伝わるたわわな感触。
「――っ!」
俺は内股になって股間部への血液の集中を抑える。
集中ッ!
喝ッ!
全身全霊で煩悩を退散し、彼女のおっぱいを支えることに集中する。
「さ、さあ! 早く剣を振ってみてください!」
俺の下半身の剣が抜き放たれる前に!
そんな俺の心からの叫びを聞き、エステル騎士団長は剣を構える。
「お言葉に甘えて――ハァッ!」
ブオン!と彼女の剣が振り下ろされる。
その剣筋は――あまりに美しかった。
動きはしなやかで軽いのに、そこから繰り出される斬撃はまるで岩をも砕きそうな勢い。
無駄がなく、隙がなく、一太刀がまさに一撃必殺。
四天王の一人と呼ばれる、その実力に偽りなし。
そして同時に――――彼女が剣を振るう度に、俺の両腕をとてつもない過負荷が襲う。
「ぐ……うっ……!?」
くっ、すごいパイ圧だ……っ!
おっぱいの重量が全部腕にのしかかってくる……!
全力で押さえているのに、腕が弾き飛ばされそうになるなんて……!
ミシッと音を立てて軋む俺の腕。
エステル騎士団長のおっぱいがかなり大きく重いのもあるが、それ以上に彼女の動きが速すぎるのだ。
速すぎる挙動に対し、重すぎるおっぱいがついてこれていない。
なるほど、彼女が苦悩するワケだ……!
こんなに重いモノをぶら下げて戦っていたなんて……!
くそっ、でも柔らかくて温かい……っ!
俺は自らの腕が痛みと喜びで震えるのを感じつつ、必死におっぱいを支え続ける。
もはや自分が真面目なのかふざけているのかすらわからなくなりつつ、それでも役割を全うしようと色んな意味で全力だった。
しばらく彼女は剣を振るうと、ようやく一息ついて動きを止める。
「す……すごい……すごいです、レンくん! やっぱり動きやすさが全然違います! まるで翼が生えたみたいに、身体が軽くなりました!」
「ハァ……ハァ……そ、それはよかった……」
「これなら……これなら〝聖騎士団武闘会〟でニペスを――」
「……へえ? この俺様を、なんだって?」
エステル騎士団長がなにかを言いかけた時だった。
俺たちの前へ、一人の男騎士が姿を現した。
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