第七乳 共振!乳連携

「導師さまっ!?」

「は!?なんでそいつがここに居るの!?」

「……ストーカー」


 俺に気付いて振り向いた三組のおっぱいの反応はそれぞれ。

 河の中でドラゴンと戦っていた彼女らは、大量の水飛沫を浴びていた。

 しっとりと濡れ、ぴったりとおっぱいに張り付いた衣服のラインがこれまた――


 ――ええい、違う!堪能したいのは山々だが、今は対峙している龍を倒すのが先決だ。


「いいから聞いてくれ!皆、おっぱいを揺さ振るんだ。水に濡れたままじゃ本来の君たちの実力は発揮できない!ぶるぶる揺らして、水を散らせ!」


「アホなの!?」

「いいからやれッ!!俺を信じろ。実際君たちは強くなっただろ!そのドラゴンと戦えるくらいに!」

「……!」


「カーチェ、アオイ。導師さまの言う通りに……!」

 トルテちゃんのおっぱいが決然と頷いた。


「……何がしたいかしんないけど、何もなかったら殴り殺してやるからね!」

 カーチェは半信半疑。

「で、でも。私、揺れるほどの胸じゃない……」

 アオイは戸惑うが。


「大丈夫。あるつもりで揺さ振ればいい。カーチェに合わせるんだ」

「う、うん……」


 そして、三組のおっぱいは、揺れ始めた。


 ぷるっ……ぷるぷるるぷるるっ…………

 ばるっ、ばるるん、ばるばる。ばるるうー。

 ちらちら、ちらっ、ちらちらっ。


「もっと、もっとだ。もっと激しく、それでいて滑らかに。三人の意思を一つにするんだ……!」


 ぷるるる、ぷるんぷるるっ、ぷるるる!

 ばるるっ、ばるんばるばる、ばるるん!

 ちらっ!ちらちらちらら、ちらちらーっ!


 ぷるるるる!ぷるるる、ぷるんぷるーん!

 バルルルル!ばるるる、バルンバルーン!

 ちらららら!ちららら、ちらんちらーん!!


 それまで各自に暴れ回っていたそれぞれのおっぱいの動きが統一されていく。

 縦横無尽、四方八方、天地無用。あらゆる方向と次元のベクトルに広がっていく震動は徐々にシンクロニティを発揮し、共鳴した三人の力が、黄金の光となって輝き出す。


「……!!」

 皆、びっくりしているようだ。

「―—!?」

 ドラゴンもだ。

「……!?」

 俺もびっくりしてた。思っていた以上の事が起きた。


 ――しかし、これで大丈夫だ。いける!

「いいぞ……っ、行けッ!金色こんじきの乳たち!」

 俺はびっしー!とドラゴンの巨影に向かって指さしてやった。


「ええ、いくわよ!カーチェ!アオイ!」

 トルテちゃんのおっぱいが、飛躍した。


 ぶるるううん!ばるーん!ちらあぁっ!バルルちらぷるーん!ぶおおぶるううーん!ちらちら、たゆゆん!ばるぶおー!バオー!バオオオオッ!バオオオオッ!


 最高潮に達した『黄金の乳』の力は、ドラゴンを圧倒した。


 ぷるるうぉぉー!ばるぷるばぁぁーん!ちらっぷるーん!たぷたぷっ、たぷぅっ。

 ばるばるばばばばばば!しゅばば!ちらぐおぉぉーん!ぷるしゅきん!

 ぷるしゅばっ!しゅばばばぷるぷるる!


 まあ何をしているのかはさっぱり判らないままだけど。


 河に漂う緑の瘴気を凄まじい黄金のエネルギーが払い。

 うねり、迸り、絡み合い、炸裂し。

 三組のおっぱいたちが躍動し、弾み、輝き、舞い踊る光景があれば充分だった。


――――——―—

 

 彼女たちはドラゴンを倒した。



「カーチェ。君のおっぱいは強い。それはこれまでの鍛錬に支えられた誇り。大切な人を守るという確かな意思。けど、人には弱さや隙もある。それがその横乳なんだ」


「アオイ。きみのおっぱいは、その引っ込み思案や臆病さを語っている。カーチェの一方的な庇護に感謝しながらも、甘えている自分を否定している。でも君には君の強さがある。その強さをカーチェに見せ付けたい。気付いてほしいと思っている、だから、ちらちら見えるんだ、その白く儚いおっぱいが」


「トルテ。君は気高く美しい。その礎になっているのは他者へ優しさ。だけどそれは愚かさにも繋がる。優しさ故に他人の嘘に気付けない。何処まででも人を信じていられる……君はそんなおっぱ……人だ。でも、だからこそ、こんな俺の手を取って旅立たせてくれた。きみが居たから俺は旅に出られた……」


 もう誤魔化したりしなくてもいい。

 

 浅く広大な大河の中心で、俺は初めて、ありのままの言葉を彼女たちに伝えた。



「……キモいのはキモいけど、ドラゴンをこんなにあっさり倒せちゃったしね。信じるしかないか」

「……」

 カーチェがしぶしぶ認める、というようにしかめっ乳をして、アオイも同意するように、すこし乳頷ちうなずく。



「これなら、きっと魔王を倒せる……やっぱりあなたは私たちを導く、導師さまです……!」

 凛とした曲線を青と銀のラインで彩られたトルテちゃんの美乳が、ちょっと微笑むようにたわんだ。



 何はともあれ、決戦へ向けての覚悟と準備は整った。

 

 俺達は広大な河を渡り、緑の瘴気に揺らめく魔王の邪城へ向けて、歩き出した。

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