ph92 タイヨウVSシロガネの決着ーsideタイヨウー
「僕のフェイズだ!ドロー!」
シロガネのMPが3になり、手札は4枚になった。そして、シロガネのフィールドにはレベルアップした神の審判者ステュクスがいる。
俺のモンスターは3体とも無事だけど、ステュクスの体力は20もある。クレイトスの攻撃でドライグの体力が2まで減ってるし、数が多くても有利とは言えない。
「僕は手札から道具カード、ワタリガラスの羽を使用!消滅した自身のモンスターのスキルを、必要なコストを支払って発動する事ができる!僕はMP2を消費してクレイトスのスキル、諸刃の一撃を発動!ステュクスの体力を5消費して攻撃力を8にする!」
攻撃力8!?天罰のエストックの効果でツァイトウルフのスキルは効かねぇしどうすれば……!!
「先ずは目障りなソイツから消させてもらうよ……バトルだ!ステュクス!ノミノノームを攻撃!」
「うわぁっ!!」
俺の手札には防御カードがなかったから、そのまま攻撃を通す。ステュクスの攻撃で残り体力が8だったノミノノームは倒される。
「モンスターによる攻撃が成功した時、天罰のエストックの効果を発動!相手に与えたダメージの半分のMPを得る!……これで僕のフェイズは終了だよ」
俺のフェイズになり、カードをドローした。
「この瞬間、ブリテンの加護の効果を発動!フェイズ開始時のMP回復が1増える!!」
俺の今のMPは5。手札は4枚だ。フィールドには体力2のドライグと、体力8のツァイトウルフがいる。
さっきのフェイズ、何でドライグを攻撃しなかったのだんだろう……ドライグを倒せば俺がレベルアップする事も防げるのに……。もしかして、MPを回復する為なんだろうか?
さっきのステュクスの攻撃でシロガネのMPは5になった。MPが5もあれはステュクスのスキルを使える。そのステュクスのスキルを使う為にあえてノミノノームを倒したのだろうか?だったら次のシロガネのフェイズで何かを仕掛けてくる筈だ……それも考えてMPを温存しつつカードも残して……。
あ゛ー!!もう、分っかんねぇ!やっぱ考えんのは性に合わねぇ!!
絶対に負けられないマッチだからちゃんと考えなきゃって……絶対にシロガネを助けるんだって……そう思って頑張ってみたけど……やっぱりダメだ。
こんな、ごちゃごちゃ考えながらやるマッチは俺らしくねぇ!
「俺は手札から装備カード、大地の斧をドライグに装備!攻撃力をプラス1する!」
温存とかそういう難しい事は止めだ。絶対に勝つ。出し惜しみなんかしない!
「MP3を消費してドライグのスキル、湖からの目覚めを発動!攻撃力が2倍になる!!」
それが俺のマッチだ!
「バトルだ!ドライグでステュクスを攻撃!!」
俺が信じてきたマッチなんだ!!
「僕はMP4を消費して神の審判者ステュクスのスキル、神水を発動!このフェイズ中、相手モンスターの攻撃によるダメージは全て回復になる!更にMP1を消費して魔法カード、福音の余波を発動!自身のモンスターが回復した時、回復した数値分のMPを得る!!」
……あぁ、やっぱり違うな。
ドライグの攻撃でダメージを与えられなかった。シロガネはいつも通り強い。強いんだけど……。
「今の攻撃でステュクスの体力は21まで回復した。僕のMPは6もある。物理攻撃が効かない以上、君は何もできない」
マッチからシロガネの心を感じない。
「これが圧倒的な力って奴さ。君は次のフェイズで僕になす術もなく負ける。……素直に僕の考えが正しいと認め、潔く
サタンのマナに操られてるからかな。全然シロガネのマッチらしくない。
「僕の事を馬鹿にしてるのかい?」
「そうじゃねぇ……ただ……」
こんなの、俺の知ってるシロガネのマッチじゃない。本当のお前はもっと……もっと!
「……強かった」
「は?」
シロガネは一つ一つ丁寧に考えられたマッチをする。でも、今のシロガネは強引というか、がむしゃらというか……いや、そういうマッチが悪いって訳じゃないけど、シロガネらしくないんだ。
シロガネが考えてるんじゃなく、力に振り回されてるというか、シロガネに合ってないというか……とにかく、何か違うんだよ!!
「俺の知ってるシロガネはもっと強かった!ミカエルと心を通わせてたお前の方がもっともっと強かった!!」
「……いきなり何なの?前の方が強い?戯れ言を……君の敗北が確定した状況でそんな事言っても全然説得力ないよ。単なる負け惜しみにしか聞こえーー」
「まだ負けてねぇよ」
敗北が確定?そんな事はない。俺の場にはドライグも、ツァイトウルフもいる。
「コイツらがいる限り、俺は負けてない!!」
「瀕死状態のモンスターで何が出来るって言うんだい?往生際が悪いな……いい加減諦めなよ」
「絶対に諦めねぇ!!俺は最後までコイツらと自分のデッキを信じる!絶対に勝てる!!」
「……ホンッット……しつこいなぁ」
シロガネはしかめっ面をしながらデッキに手を当てた。
「だったらとどめを刺してやる!!僕のフェイズだ!ドロー!!僕は手札から道具カード、禁断の実を発動!自身のデッキの上から5枚のカードをダストゾーンに送り、モンスター1体の攻撃力を5上げる!僕はステュクスの攻撃を3から8にする!!更にMP1を消費して手札から魔法カード、神の息吹を発動!自身のモンスター1体を選択し、選択されたモンスターの攻撃は全体攻撃になる!!」
シロガネの手札は残り1枚だけど、MPは8もある。ステュクスのスキルを2回も使う余裕がある。
状況は不利。そんな事は分かってる。でも、絶対に最後まで諦めない!
「バトルだ!僕はMP4を消費してステュクスのスキル、神の警告を発動!!このフェイズ中、相手は魔法カードを使う度、自身のモンスターの攻撃力分のダメージを受ける!!」
魔法を使ったら自身のモンスターの攻撃力分のダメージを受けるだって!?ドライグの攻撃力は大地の斧の効果で3になってる。残り体力が2しかないドライグは効果ダメージを耐えられない。けど、魔法カードを使わなければステュクスの攻撃で倒される……だったら!
「MP1を消費して魔法カード、夜魔女の囁きを発動!自身のモンスター1体を選択し、そのモンスターは攻撃力を半減する変わりに、相手モンスターの攻撃力分の体力を得る!!」
「何!?」
ドライグの攻撃力は魔法カードの効果で1になった。そうなると効果ダメージも1なるからドライグの体力は残る。更に相手の攻撃力分の体力を得るから9まで回復した。これでステュクスの攻撃を受けても1残る!!
「うわぁぁああ!!」
ステュクスの攻撃でツァイトウルフは消滅した。フィードバックで体が飛ばされたけど、ドライグは生き残った!
「……天罰のエストックの効果でMPを8回復する。僕のフェイズは終了だ」
シロガネのMPは10になっちまったけど、俺のフェイズが回ってきた。まだ挽回のチャンスはある!
「へへっ……刺されなかったぜ……とどめ」
「減らず口をっ!残り体力が1しかないモンスターで何ができる!!」
「それを考えるのがサモナーだ!ドロー!!この瞬間、ブリテンの加護の効果を発動!!フェイズ開始時のMPが1増える!!」
カードをドローして俺の手札は3、MPは5になった。
これでどこまでやれるか分からない。けど、絶対に勝つんだ!!
「ドライグ!レベルアップだ!」
「遅いぞ小童!!」
俺は目をつぶってドライグとマナを循環させる。
マナを循環させるほど体の中が熱くなって、どんどんマナが大きくなっているのを感じる。
ドライグと1つになるような、ドライグと自分が重なるような感じがした瞬間に今だと目を開けた。
「大地から目覚めし赤き龍よ!秘めし力を解き放ち勝利へと導け!進化せよ!レベル4 ドライグ・ペンドラゴン!!」
ドライグを包んでいたマナがなくなり、レベルアップしたドライグが現れる。
ドライグがチラリと俺を見る。俺はコクリと頷いて手札から魔法カードを発動させた。
「俺はMP1を消費して魔法カード、受け継がれる意思を発動!このフェイズ中にモンスターのスキルを使用する時、自身の倒されたモンスターの数だけMPを軽減することができる!!」
「ならば僕はMP4を消費してステュクスのスキル、神罰の刻印を発動!」
「刻印だって!?う゛っ!」
シロガネがステュクスのスキルを発動すると、熱いフライパンを押し付けられたように首が痛くなった。
「効果はこのフェイズ中、相手が自身のモンスターに攻撃行動を行う度、対象にされたモンスターの攻撃力分の効果ダメージを相手モンスターに与える……つまり、君が僕を攻撃する度に、君のモンスターはステュクスの攻撃力分の効果ダメージを受けるのさ」
「効果ダメージだって!?」
「魔法カード、受け継がれる意志を発動させ、ドライグのスキルで攻撃力を上げるのは君のお決まりの必勝パターンだ……でも、そんな手垢まみれの戦略なんて僕には効かないよ」
俺は首を手で押さえながらシロガネを見る。
「これで分かっただろ?君は僕に勝てない。無駄な悪足掻きはやめてさっさと降参しろ」
「いやだ!」
「は?」
「まだマッチは終わってない!俺は最後まで戦う!絶対に諦めない!諦めてたまるか!」
「あぁ!もう!本当にムカつくなぁ!!」
シロガネが頭を抱えながらギロリと俺を睨んだ。
「いつも……いつもいつもいつも!!君は諦めない!周りがどんなに諦めても君だけは絶対に諦めない!むかつく……ムカつくムカつくムカつくムカつく!!どっから沸くんだその根拠のない自信はぁ!!」
「シロガネ……?」
「楽観的すぎて反吐が出る!!精神論なんて幻想だ!力がなければ淘汰される!!それが事実だ!現実だ!!」
なんだろう……シロガネは操られてる筈なのに……。
「君の夢想に付き合うのはうんざりだ!!馬鹿のくせに!!弱いくせに!!」
なんか、すごく引っかかる。
「なんでそんなに真っ直ぐなんだよ!!何で諦めないんだ!!どうして自分を信じれる!?どうして!?どうして君は!!……僕、は……」
あぁ、そうか……これは、この言葉は……。
「君を見るとイライラする……腹が立つんだよ!!」
本当のシロガネが抱えてきた不安なんだ。ずっと俺に隠してた気持ちなんだ。
「いい加減に僕の前から消えろよ!消えろおおおお!!」
俺はハナビやサチコみたいに上手い事は言えない。励ましの言葉なんて分からない。
だから俺は……俺のやり方でシロガネの気持ちを受け止める!
「僕はダストゾーンにある天罰をゲームからドロップアウトさせ効果を発動!このフェイズ中、相手モンスター1体のスキルを封印状態にする!これで君のモンスターはスキルを使えない!」
少しでもシロガネの気持ちに応えらるように全力でぶつかるんだ!!
「俺はダストゾーンにある夜魔女の囁きをゲームからドロップアウトさせて効果を発動!相手の魔法カードの効果を無効にする代わりに、相手モンスターの攻撃力が倍になる!!」
これでステュクスの攻撃力が6になった。ドライグの体力は6。1回でも攻撃しちまったらドライグは6ダメージを受けてレベルアップモンスターの効果をつかっちまう事になる……けど!
「あっはははははは!!せっかく2回攻撃できるチャンスがあったのに!滑稽だ!実に滑稽だよ!!アレだけ大口を叩いといて自分で首を絞めてるじゃあないか!これでも勝てるなんて言うのかい!?」
「あぁ!勝てる!!」
これでいいんだ!!
「俺は手札から道具カード、地精霊の金槌を使用!!自身のモンスターが装備している装備カードを破壊し、デッキから大地属性の装備カードを装備させる!!俺はドライグの大地の斧を破壊して、デッキから地龍の大剣を装備させる!!そんで地龍の大剣の効果を発動だ!相手モンスター1体の攻撃力を0にし、減少させた数値分の攻撃力を得る!!これでドライグが攻撃しても効果ダメージは受けないぜ!!」
「なっ!?」
ステュクスの攻撃力が0になって、ドライグの攻撃力が8まで上がる。でも足りない。ステュクスの体力は21もある。ステュクスを倒すにはもっと攻撃力を上げる必要がある!
「更に手札から道具カード、地霊の記憶石を使用!消滅した自身のモンスターのスキルを必要なコストを支払って発動する事ができる!俺はノミノノームの鍛冶士の打ち直しを発動!消費MPは1だけど受け継がれる意志の効果で0になる!俺はスキルの効果で地龍の大剣の攻撃力を2倍にするぜ!」
これでドライグの攻撃力は14になった。ここまで上げればいける!!
「俺はMP2を消費してドライグのスキル、解かれた封印を発動!このフェイズ中、ドライグの攻撃力を2倍にする!!」
ドライグの攻撃力が28になった。ステュクスの残り体力を超えた!!
「バトルだ!!ドライグでステュクスを攻撃!!」
この攻撃を決めてダブルアタックを決めれば俺の勝ちだ!!
「僕はMP4を消費してステュクスのスキル、神水を発動!このフェイズ中、相手のモンスターによる攻撃は全て回復になる!!」
ステュクスの体が神水の効果で光った。
「必死に攻撃力を上げたようだけど残念だったねぇ!君の攻撃は無力!僕のステュクスには勝てないんだよぉ!!」
「MPが5も残ってたんだ……絶対に使ってくると思ってたぜ、神水!」
これでシロガネの手札は1枚、MPは残り2になった。もうステュクスのスキルは使えない!!
「俺は地龍の大剣の効果を発動!!攻撃成功時、このカードを装備しているモンスターの属性が大地と竜どちらもあった場合、攻撃力を奪った相手のモンスターを攻撃する際はスキル効果を無視してダメージを与える事ができる!!」
「なんだって!?」
もう神水の効果は怖くない!
「僕はMP1を消費して魔法カード、信徒の祈りを発動!!相手から受けるダメージを半減し、ダメージをカットした分のMPを得る!!」
さすがシロガネだな。MPを残しといて良かった……じゃなきゃこのフェイズで決めれなかった。
「シロガネ、知ってるか?ドライグは勝利の竜なんだぜ」
「いきなりなんの話をーー」
信徒の祈りは防御カード。だったらこのスキルが使える!!
「俺はMP2を消費してドライグのスキル、勝利への一撃を発動!!このフェイズ中、自身に必中と防御貫通効果を付与する!!ドライグ!俺を勝利へと導いてくれ!!」
「当たり前じゃあああ!!」
「あああああああ!!」
ドライグの持っている大剣が魔法の壁を突き破ってステュクスにダメージを与える。ステュクスの体力が0になるが効果で1になる。
「小童!!」
「ああ!ダブルアタックだ!いけぇ!ドライグ!!」
「そんな……レベルアップモンスターを手に入れたのに……僕が負け……うわああああああああ!!」
ステュクスが消滅して、バトルフィールドが消える。シロガネはフィードバックに痛みのせいか地面に倒れた。
これで、サタンのマナの支配から助ける事ができたのか?気になるけど、それよりも倒れたシロガネが心配だ!
「シロガネ!!大丈夫か!?」
シロガネが痛くないようにマナをコントロールしたんだけど、やっぱ俺のコントロール力じゃダメだったのか!?オーバーキルしちまったし、シロガネが目を覚まさなかったらどうしよう!?
俺は焦りながらもシロガネの元に走った。けど、目の前に黒いウネウネした物が現れて、シロガネの所に行けなかった。
「なんだこれ!?」
黒いウネウネはマナ石から出てるみたいだった。なんだかサタンのマナと同じ感じがする……もしかして、これもサタンのマナなのか?
サタンのマナらしき物はシロガネに向かって伸びている。まるで、シロガネを取り込もうとしているみたいだった。
「させるかっ!!」
俺は大地の大剣を実体化させてサタンのマナを跳ね除けた。
「小童!」
ドライグもミカエルを抱えながら俺のとこまで来てくれた。ミカエルを地面に降ろして地龍の大剣でサタンのマナを振り払っている。
「なんじゃコレは!?」
「分かんねぇ、でも、シロガネを狙ってるっぽいんだ!!」
サタンのマナはマナ石から出てきてる!あの石を壊したら止めれるだろうか?
「うう……」
「!」
後から呻き声が聞こえて俺は後ろを振替えった。すると、シロガネが目を覚ましたみたいだった。
「たい、ようくん……?」
「シロガネ!?良かった。気がついたんだな……待ってろ!すぐにマナ石壊すからお前はそこでじっとーー」
「ごめんね」
シロガネはフッと笑いながら俺を見る。何だか嫌な予感がした。
「あれは僕を狙っているんだろう?だったら僕を置いて逃げてくれ」
「何、言って……」
「僕は君に酷い事を言った。ミカエルにも最低な事をした……君達に合わせる顔がないんだよ」
「それは、サタンのマナのせいだろ!お前は悪くない!」
「そんなの言い訳にしかならない」
シロガネは笑う。いつものような落ち着いた顔で笑う。
「僕はね……君みたいになりたかったんだ」
何だよその笑顔……なんで最後のお別れみたいに笑うんだよ。
「いつも君は眩しかった……真っ直ぐで折れないそんな強い君に憧れてたんだ……でも、実際の僕は醜くて卑屈で……君とは正反対」
「……」
「そんな自分が心底嫌いで……でも認められなくて……ミカエルに八つ当たりするように酷い事をした。サモナーとしても、君の友人としての資格もない……こんな僕、助ける価値なんてなーー」
「ふざけんなよ!!」
なんでそんな事を言うんだよ!資格がない?価値がない?そんなの関係ねぇ!俺がシロガネを助けたいんだ!友達が友達を助けたいと思って何が悪い!!
「友達を置いていけるか!逃げるならお前も一緒だ!!」
「でも……」
「もう嫌なんだ!後悔すんのは!!」
「タイヨウ、くん……?」
ずっとモヤモヤしてた。もっとああしてたらって、もっと俺に力があればって……ずっと後悔してたんだ。
「俺、ずっと間違ってばっかで……お前の悩みに気づかなくて、追い詰めて……お前が
「それは違う!僕が未熟で弱かったから捕まったんだ!君のせいじゃない!」
「俺がお前の悩みに気付いてたらお前は独りにならなかった!」
もっとシロガネに踏み込んで、悩みを聞いてたらこんな事にならなかった。シロガネを独りぼっちにしてなければレベルアップを習得できてた。
「だから、決めたんだよ。もう間違わねぇって」
俺は大地の大剣にありったけのマナを込める。
「自分が本当に後悔しない選択をしようって決めたんだ!!だから絶対に置いていかない!お前を助ける!そんでマナ石を壊す!それが俺の選択だ!!俺が正しいと思った道だ!!」
体の中のマナが空っぽになるまで込め続けると、大地の大剣が強く光った。
「ドライグ!」
「あぁ!」
ドライグと一緒に大剣を振り下ろした。すると、大地の大剣と地龍の大剣から白いマナのビームみたいなのが放たれてサタンのマナを突き破る。
「いっけええええええ!!」
そのままマナ石に白いマナが当たり、マナ石を真っ二つにした。
「へへっ……やってやったぜ……」
「タイヨウくん!!」
マナ石が壊せた事に安心してか、身体中の力が抜けた。シロガネの心配そうな声が聞こえたけど、何だか応える力がなくて、俺は心の中でごめんなと呟きながら地面に倒れた。
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