5 あ、こら、待て。逃げるな。
あ、こら、待て。逃げるな。
「来週の今度の日曜日はさ、久しぶりにお出かけしようか?」と日和が誘って、日和と林太郎は近所にある小さな地方の遊園地に二人だけで遊びに行くことにした。
天気は晴れ。
真っ青の晴天。風は少しだけ吹いている。
「お待たせ」
と言って、遊園地の前で待っていた林太郎の前に日和はやってきた。
日和は水色のスカートを履いていた。日和の私服姿でスカートを履いている姿を見るのは、林太郎はすごく久しぶりのことだった。
林太郎はそのことを素直に日和に言った。
すると日和は「林太郎くんの私服姿は相変わらずだね」と言って、いつもと変わらない冴えない普通の格好をしている林太郎のことを笑顔で見ていた。
遊園地はすごく空いていた。
でもそれはこの遊園地ではいつものことで、日和も林太郎もやってくる前からそのことはわかっていた。
日和と林太郎は一通り、いつも通りのデートコースを通って(子供のころからあまり変わらない道のりだった)いつもの売店でソフトクリームを買って食べて、それから近くにあるカラフルなステンドグラスみたいな模様の屋根のある白いテーブルの上でお昼ご飯を食べた。
二人が食べたお昼ご飯は日和の手作りのお弁当だった。(相変わらず、すごく美味しいお弁当だと林太郎は思った)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます