第2ステージ 【死のだるまさんが転んだ】

 第2ステージは体育館ぐらいの広さの部屋であった。


 俺たちが入ってきた入り口と反対方向にもう一つドアがある。おそらくそれが第3ステージへの扉だろう。扉の横に謎のボタンがある。また、壁の全面に取り付けられたマシンガンの銃口が、こちらを威圧していた。


「第2ステージは【死のだるまさんが転んだ】です。だるまがカウントをしている間に、ドアの横にあるボタンを押せればゲームクリアです。

 今回のゲームも1人死んだ時点で自動でクリアとなります。思う存分殺し合ってくださいねえ!」


 クソッ!また、友情崩壊要素を盛り込んで来やがった。


 なんでデスゲームものの主催者は、参加者同士の足の引っ張り合いをそんなに見たがるんだよ。たまには最初から参加者が一致団結して運営と正々堂々戦う王道的な展開があっても良いだろ。

 しかも、このゲームどこかで聞いたとあるぞ、もっとオリジナリティ出してけよ!


 俺の思いとは裏腹にゲームが始まった。


「ダ~ル~マ~サ~」


 なんだ結構遅いな、これなら楽勝だ。


「ンガコロンダ!!」



 おい!それは反則だろ!

 てか速度変えるならダルマサンガ~からだろ!

 ダルマサ~から速度変えるなよ!


 しかし、なんとか体の動きを止められた。

 意外と簡単か?

 油断した俺は再び歩みを進めようとしてカチッと謎のスイッチを押してしまった。


 ステージの横から大岩が射出される。

 トラップだ!


 当たったら即死するであろう大岩が迫る。


「モヘジ!お前の超能力でどうにかできないのか!?」


 アルトが叫んだ。

 えっ、まださっきの設定を引っ張るのか。


「ちょ、超能力の発動には条件があるから今は使えないんだ」


 今後も期待されても面倒だから、俺は適当に誤魔化す


「その条件とはなんでござるか?」


 ……つついてくるなよ


「ふっ、今は言えないな」

 クソッ!いつまでこのノリを続けるんだ!


「流石だな気づいていたか、恐らく俺たちの会話は盗聴されている。みんな気をつけろ」

「そうだったのカ」

「盲点でござった」


 何だか勝手に納得してくれた。


 そんなやり取りをしている内に大岩はさらに加速してこちらに向かってくる。

 やばい!やばい!流石にあれは直撃したら死ぬって!


「今回はオデに任せロ、うおおおおおおおおオ」


 デカ男が大岩を体で受け止めた。


 流石、元ラグビー部だ。


 しかし、達磨さんが転んだシステムはデカ男が動いたと判定したようで、銃弾を放った。


「ここは拙者が」


 しかし、それを権左衛門が全て切り落とした


 流石、元剣道部だ。


 だがこのままではジリ貧だ。しかし、俺は奇跡的にひらめいた。


「そうだ?確かボタンを押せば良いって言っていたよな。なにか投擲してあのボタンを押せば良いんじゃないか?」


「なるほど、一理ある」


 アルトがどこからか取り出したライフル銃で、ボタンを正確に打ち抜いた。


 流石、元射撃部だ。


 システムが停止した。

 ヨシ!第2ステージクリアだ!


 こうして俺達は第3ステージへ進むのであった。

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