第3ステージ 【モンスターを殲滅せよ!】
「第3ステージはモンスターとの殺し合いだよクソどもが!モンスターを全滅させればクリアだ!もちろん誰か1人でも死亡すればゲームクリアだ!
さっさと殺し合え!」
もはやデスゲームの体をなしていなくないか。色々と雑である。
ゲームマスターの放送が終わると、すぐに大量のゴブリンが湧き出てきた。
うーむ、なかなか醜悪な見た目だ。
「ゴブリンか、かつて古代文明が労働ミュータントとして使役した記録が残っているらしいが、まさか実在していたとは。たしか弱点は……」
「きえええええええっっっっっつ」
アルトの言葉を無視して、言左衛門が切り込む。三体のゴブリンがまとめて一刀両断される。しかし、全力で放った太刀筋の影響で言左衛門に隙が生まれた。
「ゴブゥ!」
ゴブリンの一体がそこに目を付けて攻撃を加えようとするが。
「ゴバァ?!」
アルトがそれを打ち抜いた。しかし、射撃に集中していたせいかアルトは近づいてくるゴブリンへの対処が一瞬遅れた。だが、その隙をデカ男がカバーする。
「うおおおおおおおおオオオオ」
デカ男はアルトの周りに近づくゴブリン達をなぎ払っていった。
うむ、互いが互いの隙を補い合う、文句の付けようのない素晴らしい連携だ。
「頑張れー!みんな、頑張れー!」
「う゛ぁう゛ぁう゛ぁっっう゛う゛う゛う゛」
俺と晴彦は後ろから彼らの戦いぶりを応援した。
数十分後、我々はモンスターを全滅させた。最終ステージへの扉が開いた。
どうやら次が最終ステージらしい。
(その前に白状しなければならないな)
◇
「みんな聞いてくれ」
最終ステージへと続く通路で俺は切り出した。
旧友達が一斉に俺の方を向く。
「実は……俺は……超能力なんて使えないんだああああ!
嘘ついててごめんなさああああい」
「「「な、なんだってー」」」
「俺は最初みんながデスゲームの主催者達に嫌がらせするために嘘をついていると思っていたんだ。
友達のことを信じられなかった俺は人間の失格だ!軽蔑してくれ!」
「ま、まて、じゃあ第1ステージの時、ドアのロックはどうやって開けたんだ?」
アランが疑問を口にする。
「わ、わからん」
確かに、何で開いたのだろうか。
するとそれまであまり喋っていなかった晴彦が喋った。
「う゛う゛う゛うう゛う゛v」
「な、なんて?」
「『わたしがハズした』晴彦はそういっているでござる」
「は、晴彦が本物の超能力者だったのカ」
「う゛う゛う゛うう゛あう゛ぁー」
「なになに『今まで黙っていたのはデスゲームの運営の意識を自分からそらすためだ、モヘジの嘘は結果的にわたしがこの惑星デスゲムニアを破壊する準備の時間を稼げた。だからモヘジを攻める気はない』だそうでござる」
「は、晴彦ぉ!」
「まあ、別に俺たちも気にしていないぞ」
「ダ」
「ござる」
「み、みんなぁ」
俺は友人達の寛大な心に涙した。
わだかまりがなくなったところで、我々は最終ステージへ進むのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます