君の確立

第1話

「ねえ、君の確立っていくつ?」

僕たちはたったこの一言で始まった


いつの日からであったであろうか

僕の目の前の席が空くことが増えていた

最初は月に一度、けど今はほぼ毎日

最初はちゃんと心配してくれる人がいた

けど今は誰もそんな話はしない

いつもクラスの中心にいる子だった

だが今は話題にならない

太陽みたいな子

でも今は月

消えてしまった

なのに誰も探さない


そして彼女は僕の18の夏に姿を消した


「ただいま。」

「お帰りなさい。」

妹がリビングから走り出てきた

「お兄ちゃんお帰り。」

「ただいま。」

僕は妹に鞄を渡した

「手をよく洗ってから中に入るのよ。」

リビングから母の声がした

「ああ。」

僕はいかにも気だるそうに返事をし、スリッパに履き替えた

「お兄ちゃん、今日はパンケーキよ。」

「食べたかったら僕の分まで食べてもいいぞ。」

「いいよ、あげる。」

と、僕は顔を上げた

(確かパンケーキは妹の好物じゃなかったのか?)

「い、いいのか?」

「いいよ。」

「でも好物何だろ。」

「でもいいよ、さ、さっき食べたし。」

「ならいいけど。」

妹はリビングへと駆け出して行った

「あんまり走ると転ぶぞ。」

僕は妹の背に声をかけてやると、僕もまた、リビングへと歩いた

甘いパンケーキの匂いがリビングに立ち込めていた

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君の確立 @reina0526

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