第8話 違法ギルド『BDK』


 この大柄な人物は、暗殺者ギルド『BDK(Black Death King)』通称「黒死の王」と呼ばれている違法ギルドのギルド長を勤めている人物だ。元Sランクの冒険者だったらしい。よく知らないが。


「んで、今日はどうだった?」


「特に異常はありません。」


「よし。わかった。」


 まぁ、この『BDK』は特に違法なことはしていない。精々、権力者のやましい部分を探るくらいが関の山だ。構成員も3人と少ないし。


「こちらも特に異常はなし。あいつはまだ戻ってくるような時間じゃないしな。」


「そうですか。」


 ちなみに、このギルドはお互いの素性を検索するのは禁止になっている。拷問などの対策の一環だ。基本的に、この大柄の人物を「ボス」。まだ帰ってきてないやつは「コープス」。僕は「オートマタ」と呼ばれている。まぁ、ボスは小僧呼びだけど。


「んーじゃ、小僧は帰っていいぞ。魔法の訓練をするならいつもの場所でな。」


「はい。」


 僕はボスにお辞儀をしてから下の階に続く階段へ、足を向けた。

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