第二章 復讐 知識は暴力を超える

プロローグ2

 私には皆と違う血が入っている。

その違いが誇らしい時もあれば、疎ましい時もある。


 もしも周りの子たちと同じ環境、条件だったなら、色眼鏡で見られなくてすむのに。


 私より先に生まれた誰かの選択のせいで、今の苦労がある。誰かよりも、胸が大きくなりたい。手足が長くなりたいと同級生と単純に語り合えたら良かった。

 

私には居場所がない。


私には頼れる人がいない。

 

祖父は私にお金を渡せば

勝手に成長してくれると思っている。


あの日の事を思い出す。

あいつに告白された時、まさか自分に好意を寄せてくれる人がいるとは思わなかった。


だから、つい言ったの


「将来は何を目指すの?」って。


疑問だった。


ある人から、祖父が帰らないと教えられた。

定期連絡もなく、駆除に失敗したと。


別に何かを目指そうと思ってなかった。


祖父がお世話になった彼らに聞く事にした。


彼らは私を必要とした。


こうして、私は誘われるままバケモノ退治を目指すことになった。


そして……ターゲットは人類を裏切った男を殺すこと。


バケモノを人の社会に招き入れた元同級生を。


三輪トキスケを――殺す――。

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