第24話 銀の森へ戻った僕、シードックの新しい王
僕は、アンナと一緒に銀の森に戻ってきた。
風の奥方がいたので、大将の出番が無かったよ。
あっという間に、西域の大滝のある近くの国から、銀の森にまで飛んできてしまった。
僕にとっては、数ヵ月ぶりだ。
銀色に葉っぱが輝く、銀の森。
ここが、僕の新しい故郷になるんだ。
そう思うと、感慨も深くなった。
アンナが、僕に聞いてきたのは、誰が僕に銀の森を出ていけと言ったか?ということだった。
「だから、三賢人のザイラス様だよ」
「そうか、先に屋敷に戻っていてくれ。光の神殿に用がある」
アンナは、薄ら笑いを浮かべて、光の神殿へ向かった。
わ~ん!!アンナが怖いよ~
♦️
光の神殿__
「ザイラス・ラルクはいるか?」
三賢人の執務室に入るなり、アンナは大声で叫んだ。
窓枠がきしんで、歪んだ。
「姫!!どちらにいらしてたのです?我が息子のレイチェルとの婚礼も近いのに」
「誰が決めたんだ?その話?私は、承知してないぞ。父上も婚礼に関しては、私の好きにして良いという約束になってるのに。おかしくはないのか?私は、タクトと婚礼を挙げると報告したのに、タクトの祖母の母国を探し出して魔族に仕立てあげるとはな。
どちらにしても、報告通りだ。、シードック帝国から、魔族は追い出してきた。そして、我が神を受け入れた。それに際して王が必要だという事だ。ラルク姓のな。ザイラス・ラルク、お前が新しいシードック帝国の王となれ。息子のレイチェルもつれていけよ。あっちは、ラルク王朝の復活で喜んでるから歓迎されるぞ」
「お待ちください!!アンナ様」
「三賢人にまでなった人格者だ、良き王になるだろう。いらぬ欲など出さなねば三賢人のままでいられたのにな」
禿げた老年にさしかかった、最高位の神官は、扉の外にいたエル、ロイル家当主のアンドレアを見つけると、何か言おうとしたが、その前に他の二人の三賢人によって執務室を退出させられた。
「ナイスタイミングです、父上」
「お前が、一人で、三賢人の執務室に乗り込むなど、絶対に何かやらかすと思ったからだ。迎えに行ったはずのタクトゥールは、一人で家に来るし……」
♦️
後日、僕は、正式に光の神殿からシードック帝国の王女の孫ということで、ラルクの姓をもらった。
ラルク姓は、エル・ロイル家に近い親族の姓だそうだ。
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