第22話  アンナが生贄に

 アンナは、祭壇に寝かされてた。


「くそ~~」


 僕も何も出来ない。

 アンナの首の所には、ピタリとナイフが突きつけられていた。


 アンナの上半身の服が剝ぎ取られ、アンナの裸体が露わになった。

(前に一緒にお風呂に入ってるけど、あの時よりアンナはずっと、女性らしい体つきになっていた。)


「流石に、光の一族だけあって、美しい身体だな。贄には勿体ない。我と契ろうか」


「「くそ~~変態祭主め!!僕のアンナに手を出すな!!」」


 僕は、ナイフを突きつけられていたことも忘れて、叫んでいた。


「「「くらえ~~特大エア・キックゥ!!!」」」


 僕は、超特大のエア・キックをベンガル・レスター副祭主の頭に向けて蹴ってやった。


 僕のエア・キックは、魔王を一撃で吹っ飛ばすほどの威力がある。

 まともに、エア・キックを食らった副祭主は、未完全の魔王の像と一緒に身体ごと何処かに吹き飛ばされて、バラバラになってるだろうね。


「大丈夫!?」


「ああ!!それより、嬉しいぞ。タクト。僕のアンナって言ってくれたな」


「え!?僕そんなこと言った!?」


「言った、言った。風の奥方が証人だ。奥方、これで私たちは、両思いだ。タクトには我が一族の血も流れている。反対の理由は無くなったはずだ……と、銀の森へ行く風に噂を流して欲しい。」


 <了解ですわ、アンナ様>


 暗黒神殿も火の魔法で、浄化された後に取り壊しが決まり、新しい王朝が興ることが決まった。


 魔族に狙われやすいこの国は、銀の森と連携を取って、次に狙われたら、魔法使いたちの応援を出すって約束もしたよ。


 ただ、次の王になる人がいなかったんだ。


 それで、誰かが僕がリムジットの孫であると告げてしまったみたいなんだ。

 僕を王にという声があがってきた。

 困るよ~


「お前、王になりたいのか?」


 アンナが聞いて来た。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る