第20話  ブチ切れた、アンナ

 僕は、身体から力が抜けていった。


 以下、僕のうっすらとした意識下で聞こえて来た事


「おまえ!!私の婿殿に何をしてくれるんだ!!焼くぞ!」


「止めてくれ!!俺たちは火に弱いんだ!!」


「うるさい!!何故、この国を狙った!?この国は、ラルク姓の王朝があったはずだ!!不思議な力を持っていたはずだ。それを知った上か!?」


「神の加護って奴が大きな奴が王についてたな。一番最初に血祭りにしてやったわ」


「わが一族の血は、1000年経っても生きてたんだな……」


「その火を止めてくれ!!お前には、手は出さないから」


「うるさい!!くらえ!!」


 アンナは、手にかざした火をそのままハルム王の顔に押し付けてた。


「「「うおーーー!!」」」


 ハルム王は、物凄い悲鳴を上げた。

 前身に火が回った所で、背負っていたバスターソードでハルム王の首を切ったのだった。


 ハルム王の首が宙に舞う。


 僕の倒れている傍に、転がって来たのだ。


「タクト!!タクト!!大丈夫か!?」


 アンナが近寄ってきた。


「ん!!あれ?なんともない?」


「そうか、魔法の鎖帷子が防御になったか……」


「マークの用意してくれた鎖帷子!?」


「大地の守護の呪文が、鎖に彫ってあるんだ。それにお前は、魔法使いだ。ヒューイッドのようにはならないさ。魔力からでも、精気は補えるんだ」


「この国に、魔法使いを置いていなかったのが災いしたな。

 我らと、連携していれば、直ぐにも追い出せた下っ端だったのに」


 下っ端!?ハルム王は、アンナが簡単にやっつけたの!?

 僕は、アンナに疑問を見つけた。


「この国は、何時から孤立してたんだろうね!?」


「少なくても、ハ百年前までは、風竜の居た痕跡がある。その後、何があったか分からないが、百年位まえに宰相だったレスター卿に国の中枢を奪われてる……」


「風竜の加護のあった国なのに……?」


「多分、その風竜に私は会っていると思う」


 アンナは、火の王にハルスの居た王の間に浄化魔法を施した。

 そして、隠れていた王宮に仕えていた人々を解放していった。

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