第16話  アンナレッタ、参上!!

 だんだん、身体に力が入らなくなってきた。

 それを見越したようにアーシュレイは、僕を押し倒してきたんだ。

 頭では、止めてくれと願っているのに、身体は喜んでる~

 僕の馬鹿~


「や、やめてよ……アーシュレイ……僕たち血が繋がってるかもよ~?」


「それが何!?どうせ明日の夕方には、心臓をえぐられて精気も抜かれて、ヨボヨボのじいさんになるのよ?せいぜい、今夜は楽しみましょう」


 何故か、太くなって反り返る僕の(自主規制)。


 アーシュレイが僕の(自主規制)を手で掴んで、僕の上に乗ろうとした時だった。


「タクト~」


 聞き覚えのある声だった。

 アンナだ。

 何で、ここにいるんだ?

 何で?

 だけど、声が出なかった。こんな場面恥ずかしすぎる!!


「そうか~、助けはいらんのか~フ~ン。おまえ、こんなBABAAが趣味かよ。良いけどね~お前たちのプレイを今後の参考にしても良いしィ?」


「馬鹿!!アンナ!!助けろよ!!」


 声が出た。良かった。


「だって、お前嫌がってないじゃん!!喜んでる」


「男は、頭と下半身は別物なの!!」


「そ~なの!?」


「僕も、今知った!!」


「じゃあ~~お言葉に甘えて!!レスコンダ。浄化の火を」


 相変わらず、アンナは魔法を操るのが上手だ。

 力技だけでなく、こんなことも出来てしまうんだ。


「うわ~~こりゃ、持久戦になりそうだ。タクト、力を貸してくれ」


「どうしたの!?」


「浄化の火に飛び込んでくる人の人数が、多すぎる。それから、最後に大物がいる」


「大物!?」


 僕は、目の前のアーシュレイに目をやった。

 炎に照らされたアーシュレイは、どう見てもアンナの一族の人のようだった。


「タクト、大将に火を煽ってくれるように言ってくれ」


「OK」


 僕は、急いでズボンを穿いてアンナの横に行った。


 あれれ?さっきまでのアーシュレイは、何処に行ったんだ?

 目の前にいるのは、凄い年を取ったお婆さん!!


「ほら、お前さんも浄化の火に焼かれろよ。往生際が悪いぞ!!」


 アンナがアーシュリ-を説得した。

 ところが、お婆さんになったアーシュリ-は、不気味な笑いを浮かべてこちらを見ていた。


「お前が邪魔しなかったら、今夜も若い男と出来たのに」


 しわがれた声でキモいことを言ってくる。


「説得は無理で良いか?私は、短気なんだ。待つのは好きじゃない。

 タクト、エア、ボールに投げ付けてやれ。火の王の炎付きで焼いてやるよ」


 そう言われ、僕はかる~くアーシュレイの横の壁にエア・ボールを投げてみた。

 ドス!!

 鈍い音がして、壁に穴が開いた。


 それを見たアーシュレイは、


「分かった、思い出したわよ。リムジットは、私の従妹よ。直系のラルク姓を持ってたわ」


「ふ~ん、やっぱり、建国に我が一族と魔法使いが関わってるのは、本当だったんだな」


 アンナが、何か納得していた。


「私は、助けてくれるんだろ?」

「何を言ってるんだ?自分が既にこの世の者でないことを忘れたのか?知らないのか?どちらにせよ、ここに私とタクト以外にこちら側の世界の人間はいないんだ。火の王、手加減は無用だ牢を灰にしろ!!」


 一面が炎になって、アーシュレイの姿は火の海の中に消えていった。


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