第15話  地下牢のアーシュレイ

 地下牢なんて初めて見たよ。

 黴臭くて天井から、ポタン、ポタン水滴が落ちて来るんだ。

 結構広いんだけど、誰も居なくて。

 う~う~う~と唸っていたら、牢の奥の暗い方から、女の人の声がした。


「男の新入りさんなのね。可哀そうに、明日には祭壇に連れて行かれるのね。今宵は楽しみましょう」


 誰!?何を!?


 壁を伝い歩いて来たのは、どう見てもアンナの一族と思われる人だった。

 若そうだが、暗くて年齢は分からない。でも分かるんだ、アンナの一族は雰囲気が独特だから。

 その人が僕の猿ぐつわを取ってくれた。


「私は、アーシュレイ・シェラナ・ドニク。アーシュレイで良いわ。

 あなたは!?」


「僕は、タクトゥールだよ。もしかして、銀の森の一族の人!?」


「なんのこと?」


 アーシュレイは、篝火のある所に移動して僕の縄を手首だけにしてくれた。


「御免なさいね。明日の夕方には、また縛られちゃうけど……」


「大丈夫だよ!!隙を見て逃げるから」


「そんな隙は無いと思うわ。祭司達も有能よ」


「あのさ、姓が一緒なんだけど、リムジット・シェラナ・ドニクを知ってる?」


「さあ?従妹が、魔王様に捧げられた子がいると聞いたことがあるわね」


「アーシュレイは王族なんだよね?」


「昔話なんて、どうでもいいじゃない~子供の頃に政変が起こって、それ以来ハルム様が国の王になったのよ~」


「あの~」


 会話してる間中、アーシュレイは僕の服を脱がしてきた。

 だけど、鎖帷子で苦戦模様。

 すると、今度は僕のズボンを思いっきり、ずり下げてくれた。

 下着もろともの勢いだ!!


 アーシュレイは、何故か、満足した顔で僕を見た。


「うわ!!」


 驚いて、声が出てしまったよ。


 露わになった僕の(自主規制)!!


 それを美味しそうに舐め上げる、アーシュレイ。

 それは、舐めるものじゃないでしょ!!

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