第8話  親友との再会

 僕には、ヒューイッド・ランスという同じ年の友人がいたんだ。

 ただ、2年前の旅の途中でヒューイッドは、魔族に襲われて精気を抜かれて、一気に年を取ってしまったんだ。

 その時に一緒にいた、アンナの親戚のお兄さんのおかげで、アルテアの治療院に入ることが出来たけど、あの後僕は、魔王退治に行ってしまって、この二年間勇者だの、何だのとたてまつられて忙しくて、ヒューイッドに会いに行く時間も無かったんだ。

 ううん、行けなかったんじゃなく、行かなかったんだよ……

 年を取った、ヒューイッドに会いたくなくて‥‥‥

 治療師さんは、50年位寿命を持っていかれたと言っていた。


 僕たちは、18歳だから軽く見積もって68歳か~

 今でも、食い気が取り柄のデブなのかな~?



 ♦



 アルテアの王立治療院__


 アンナの親戚のお兄さんが大金を出してくれただけあって、ヒューイッドは、特別待遇の部屋だった。

 僕の顔を見るなり、泣き出して生きていたことを喜んでくれた。

 ただし、自分の事には、納得がいってないようで、もう元気だから退院させろ!!と喚いているらしい。

 ランス村に帰りたいと言い張るヒューイッドに対して、治療師さんが、今のあなたでは旅は、無理です。一人暮らしも無理です!!説明しても聞かないらしい。


「お~タクト!!元気そうだな!!俺たち18だぜ。行こうぜ。」


 再会の開口、一番このセリフ。

 出た!!謎ルール!!


「~~そんなに良いとこでも無かったよ」


「おまっ!!もう行ったのか!!ズルいぞ!!俺より後に生まれたくせに!!」


「連れて行かれただけ。何もしてないよ」


 ヒューイッドは、しわくちゃになった顔のしわが全部伸びるくらいの勢いで言ったんだ。


「信じられない奴だ!!男子18歳娼館デビューは、神殿の認めた聖なる掟だぞ。それを無視するとは!!お前、前から思っていたが本当に(自主規制)ついてるのか!?」


「ランス村で、一緒に水浴びをしただろ!?それに、なんだよ、その掟って!!」


 男子の18歳、娼館デビューは神殿が推奨してるってこと!?

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