第7話  銀の森を追い出された僕

「アンナは、なんて言ってるの!?」


「姫には、我から話しておく。一族からも追放だ。ロイル姓も返上しろ!!即刻、銀の森を立ち去れ!!」


 禿げた神官は、凄い勢いで迫るんだ。


 マークは、魔王になっちゃったのはアウトだと思うけど、魔族の血!?

 帝国の王女でしょ!?おかしくない?

 それに、結婚しろと言ったのは、そっちだよ!?

 今度は、するな!?おかしな血筋って何だよ!!


「アンナの気持ちは、どうなるの!?」


「魔族の血が流れているかもしれないお前を、我が祖神の血に入れる訳が無いだろう!!姫様だって、考えるはずだ。お前は、この聖地から一刻も早く出て行け!!」 


 言い捨てて神官は、部屋を出て行った。


 僕は、荷造りしながら考えていた。


 魔族の血?人間と魔族が結婚するの!?

 僕は、ゴリラと人間が結婚したら……

 思い切り、気持ちが悪くなってしまった。


 リムジットは魔族の血が流れていたから、魔王に捧げられたのかな。


 そして僕にも、魔族の血が流れてるんだ……

 なんか、虚しくなってきた。


 折角、転生出来たのに、人間じゃなくて魔族との混血なんて……


 でも、アフレオスを抜けたぞ!?

 アフレオスは、この世界の神の化身だよね~~?

 なんか、分かんないな~


「何処へ行くか決めたか?」


 荷物を纏めた僕に、若い神官が話しかけてきた。


「はい、一応友人の居るアルテアへ行こうと思います」


 僕は、二年前に魔族に精気を抜かれて、年を取ってしまった友人のヒューイッドの事が気になったんだ。


「では、ドーリアまで魔法陣で送ってやる。アルテアは、隣国だ。」


 僕は、アンナに会うことも許されずに、銀の森を去ることになった。




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