理解のある彼くん体験記 後半

それからは比較的平穏な日々が続き(日々の病みについては当然継続)、次の事件が起きるのが二年の夏。これもまた男絡み。


今回は男女五人でラブホに泊まったと。一応これに関しては事前にそうなることは聞いていたし、何より他の女子もいるとのことだったのでそれ自体はまあよくて。


一応彼女の擁護というわけでないけど、ラブホに泊まること自体は学生ではよくあることで。部屋料金さえ払えばいいので複数人で泊まる時は割安になるんですよね。それはまあそういうもんだと思ってください。


問題はそこからで、まずみんな先に寝てしまって男と二人だけ起きていたと。そこでふざけてAVを見始めたと。彼氏以外の男とそーゆーの見るのってどういう気持ちなんよほんま。


それでどうなったかというとまたも相手の男から「性交に誘われて傷付いた」と責められ始めました。まぁ同じことを繰り返してるんすわな。


しかも悪いことにそいつは顔が広くあっという間に彼女がヤリマンだと言いふらして回ったわけです。処女なのに。彼女も彼女で顔が広かったので「あの子そんなやつだったの!?」という感じで変に噂は広められました。


ちなみにその日酒に酔っていたとはいえ逐一リアルタイムで僕とLINEのやりとりをしていたので、こっち側は「記憶が曖昧」とかであるはずはないんですよ。AVの件ですらリアルタイムで聞いて「何でそんなことしてんだアホか」とレスポンスしてたし。


ところが相手も相手で「絶対に誘われた!傷付いて精神疾患になった!」と診断書までもらってくる始末で。精神病患者同士の泥沼争いみたいになったんですよね……。


最終的に相手が誰が見ても明白なパワハラをしてきたので周りも流石にドン引きしてグループから脱退させられ、彼女もそいつを脱退させた引け目からグループと関わるのを辞めました。誰も幸せにならねえ。


それもそれで相手の男からストーカーまがいの行動をされ続けて定期的に病んでいました。どんどん病む原因が増えていきます。


……とは言いつつ彼女の症状自体はすごく軽くなったんですよね。僕が毎日毎日気が済むまで話を聞いてるものですから、多少はよかったのでしょう。


まず分かりやすいところで言うと、多重人格は治りました。それだけでなく、病んだ時の「病み方」もだいぶマシになりました。パニック発作のようなものがなくなって「これが嫌だ」「気分が悪い」と言語化できるようになりました。これは僕のおかげと言っても過言ではないと思います。


三年では研究室の代表に立候補し、以後忙殺されることになります。正直予想していたことではありますが、案の定「忙しいから病む」が発生してまた病む原因が増えました。


三年の終わりにはなんと学校の課題が終わらないから死にたいと言い出しました。どうも、いつも父親に感じているような生理的嫌悪を課題に感じるようになったとのことで。


必修科目もあったので落としたら卒業できません。オブラートに大変包んで言うとほぼ全ての科目を「手伝いました」。


で、少し話は戻るんですが、三年の春からはコロナでオンライン授業になっちゃったんですよ。


会う機会がめっきり減って、一応は毎日(病み)電話はしていたんですけど。このくらいあたりから「浮気したくなる」「◯◯ちゃん(女)と結婚したい」みたいな話をちらほらし始めました。


元々飽き性だとは言ってたものの、ここまで結婚の話やら何やらを散々しておいて。しかも毎日電話はしてるんですよ?僕だって浮気は嫌です。


そして四年になってお互い就活を始めるわけですが、ここで「好きな男ができたから浮気させてくれ」と言ってきました。続け様に「他の男を見ることでしずくの良さを再認識したい」とか訳分かんないことを言ってきました。


ただこれを禁止したところでこの人は行っちゃうことは分かっていたので、「相手に彼氏がいることを伝えた上でなら勝手にしろ」と言っておきました。僕、とてもとても譲歩したんですよ。しましたよねぇ!?


その一方で僕はずっと話していた「卒業後同棲する」ということについて真面目に考えていて、就活もそれに沿ってしていました。「無理そうならいいよ」とか言われてたけど結婚を見据えたら離れたところに就職するのは悪手じゃないですか。


そうこうしていると、彼女から「就活でお互い忙しいから少しの間距離を置こう」と言われ、まあ実際忙しそうだったのでその話は了承しました。とりあえずしばらく離れるしということでデートをいつも通りして、「じゃあ今度は就活終わったらね!」といつも通り別れました。


で、僕の就活が終わったのが11月後半。約束通り「就活終わったよ!」と嬉々として報告にいきました。するとそこで「え?もう別れたよね?」と言われました。


??????


はい、ゴミのように捨てられた訳です。恐ろしく早いポイ捨て、俺でなけりゃ見逃しちゃうね……。


ちなみに「お前がフラれたのに気付いてないだけでは」とか言われそうだけど最後に話したのがそのデートの日だし文字情報にも残ってないから正真正銘、何も言われてないですよ。相手もバックれてるわけではなく無邪気な感じで「言ったと思ってたごめーん」って感じだったし(それもそれでムカつく)。


こうして僕の淡い恋心は粉々に砕かれたのでした。顔合わせした両親ともそもそも仲良くないのにさらに気まずい状態に。もしこれで彼女の家の近くの企業に受かっていたらどうなっていたのでしょう。怖すぎます。ほんとに。


「嘘つき」「裏切り者」とか色々言いたいことあったけど、そもそも病んだ時の受け皿は俺だよな?と思って「今度から病んだ時対応しないけどいいんだな?」と聞くと「今は体調もいいし全然オッケー👌」と。


僕は三年間も連れ添っているのだから、一週間に一度以上病むのは知ってる。にも関わらず本人は「大丈夫」と言い張る。もうツッコむ気力もなくそのまま流しました。


そして二週間後、当たり前のように「やっぱり話聞いて〜」と来たのではっきり断りました。その上で「なぜ俺が怒っているのか分からないならもう連絡すら取らない」と言いました。


本人は「全く分からない」「私なんかと一緒にいて時間を無駄にしたから?」などとひたすらひたすら神経を逆撫でされ続けたのでそのまま連絡を取らないと言いきりました。


それでもなお「友達でいたい」とか言ってきたけど、それただただ病んだ時のサンドバッグにしたいのが見え見えだったので断りました。すると「しずくは◯◯に行けていいよね。私の分まで楽しんできてよ」と何の捻りもない当てつけをしてきて「はぁぁぁ???」と思いつつ以降連絡は完全に途絶えています。


実は「半年間は誠意ある謝罪があれば考え直してやろう」とも思っていたのですがそんな気配もなく今に至ります。これが事の顛末。


補足ですが、勝手に別れたことにされたのは最後のデートの一ヶ月後だったようで、「別れた」と関係を知ってる知人に言っていたそうです。それだけならまだしも別れた原因についてこう言ってたと。


「しずくの愛が重い」「自分に人生をかけられたくない」「男にも自由に会わせてもらえず束縛されている」


お前が!!!!!!!!!!!!

言うな!!!!!!!!!!!!!


以上、体験記でした。


次の章では愚痴ではなく考察をして皆様に役立てていただこうと思います。

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