第3話
「何をしようってんだヒバナ!!」スクリットは走っていくヒバナの手をつかんだ。
「離せ。お前に用は無い。」ヒバナの様子はおかしかった。まるで別人のようにしゃべり方や表情も変わっていた。
「君、無駄だよ。」ユウナギの父はスクリットにそう吐き捨てた。
「何が無駄って!」スクリットは振り向いた。
「あの子は止まらないと言ってるんだ。あの子こそ真のクオーター、そして死の神だよ。」
――システム起動、デバイス『アヌビス』――
――認証ユーザーではありません――
――認証ユーザーではありません――
機械音とともに警報が鳴り響いた。
「総督!!ラボに三名が侵入!ラボで整備を行っていたアヌビスが不明者によって起動させられました!!!」
「何を焦っているんだ、起動できたところで認証ユーザーではないだろう。ロズロット、取り返してこい。」グルズは落ち着いて言い放った。
「しかし!」
「まだ何かあるというのか。」
「認証ユーザー書き換えられています!!!!」
――ヒバナ・クローム認証――
「デバイス名はアヌビスか。アヌビス、ついてこれるか?」
「どうなってるの!お父さん!!ヒバナ君がデバイスに乗るなんて。」
「驚くこともないユウナギ、君だっていつか。」
「どういうこと、お父さん…」
「僕たちはデザイン科の学生ですよ、戦術科でもないのに!」スクリットはユウナギの父に叫んだ。
「見ていろ、面白いものが見れるぞ。」
「行くぞアヌビス。」
「なんだあのデバイスは!援軍か、聞いてないぞ!!」
「MeltRevolver …」そう一言いうとヒバナは残り弾数を数え始めた。
「まず6。」そう言って放った特別装甲弾は敵デバイスの首を取る。
「次に5だ。」そして一直線上に並んだ二つのデバイスを貫いた。
「4。」
「やらせるか!!」敵デバイスが後ろを取るとアヌビスデバイスはすぐに切り返し、かわした。
「お前が4だ。」大きな爆発音がして、その煙からデバイス三機が頭をのぞかせた。
「3と2と1、か。」
「やめて!!ヒバナ君!!!」ユウナギの声がした。その瞬間ヒバナはユウナギとスクリットの顔を脳裏に浮かべた。
「今だ!死ねええ!!」
「危ないヒバナ!」
「3と2だ。」ヒバナはすべての状況を整理した。そして後ろに回り込んだ。
「速すぎる!!!」
「1。」
「ロズロット、私の旧デバイス使えるか。」
「旧デバイスですか?」ロズロットは難しい顔をして聞いた。
「ああ、アヌビスを取り返してこい。」
「わかりました。」
Quarter けーた @kkpsiba4869
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