第2話

「臨時ニュースです。たった今、グルズ・アルス副総督の暗殺を企てたとしていた元総督スウェル・レーンライト氏が一部のテロ組織によって暗殺されたということです。そして副総督の記者会見が入ってきました。現場から中継です。」

「私グルズ・アルスは、私を殺害しようとした元総督のことを断じて許すわけにはいきません。しかし、長年戦争をともにした元総督を殺害したテロ組織を許すわけにもいきません。よって今現在をもって私が総督代理を務め、報復を約束いたします。」

「調べによると元総督は――」

「何してるんだよヒバナ、昼休み終わるぞ!」

「あ、ごめん!ちょっと待って!」ヒバナは小走りスクリットに追いついた。

「ニュース見てたのか。」

「うん、総督が殺害されたって。」

「テロ組織って相手側のかな。」スクリットは悔しそうな顔をしながら言った。

「でも変だよね、総督とその息子だけが殺されたって。」ヒバナは顔をしかめた。

「お前の父さんなんか知ってないのか。総督の息子のデバイス作ってたんだろ。」

「うん、でもそれも中止だってさ。まだ四分の一しかできてなかったって。」

「そうなのか。」そして二人は無言で教室まで戻った。


「総督代理!テロ組織UUを名乗る者たちからメッセージです!!」

「なに、ほんとに出てきたか。」

「私たちをうまく使ったようだな。だがこちらも使わせてもらうぞ。」

「全区域に非常事態2を出せ!!どこに来るかわからない!」グルズは大きく手を動かした。」

「デバイス検知!10はいます!」

「降りる場所はどこだ!」

「旧日本の第三基地です!!」

「非常事態を4に引き上げろ!」


「――非常事態4が発令されました。シェルターに避難をお願いします――」

「先生!どうするの!!」生徒たちが叫びだした。

「みんな荷物を急いでまとめて!地下シェルターに入るよ!!」

「おい、おい!ユウナギ!お前の父さんもまだラボじゃないか?スクリット先に行っててくれ、僕とユウナギは父さんを探してくる!!」

「ヒバナ君こっちだよラボは!」

「よし、行こうユウナギ!!」

「待ってくれよ、俺も行く!」スクリットは走り出した。

「どうすんだよ走りだしたはいいけど。」

「ラボに行って父さんと落ち合わなきゃ!話はそっからだ。」ヒバナたちがつく頃にはラボはもう壊れていた。

「父さんは、父さん!!」三人は走って回った。

「ユウナギ!!ヒバナ君!!」誰かの声がして向かっていくとそこにはユウナギの父がいてヒバナの父を抱えていた。

「父さん、約束したじゃないか!」ヒバナは泣きながら父を抱え込むと、目つきを変えた。

「どいつだ、どのデバイスだ。父さんをやったのは。」




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