第79話 恋する乙女フィルター、
その為、持って一週間が限界であろう。 それ以上となると流石に私たちの身体が持たない。
こんな時にレンブラントがいてくれたら。
そう思わずにはいられない。
きっとレンブラントが宮廷魔術師にいたのならばきっと既に今回のスタンピードも解決していた事であろう。
その事を同僚の女性に話すと『恋する乙女フィルターで見ているからそう思えるだけよ。 最悪騙されているんじゃないの? 絶対そんな奴やめたほうがいいってっ! というかダグラスさんで良いじゃない。 何がそんなに不満なのっ!? 私だったら速攻でオッケーして付き合っちゃうけどなー」という風な事を毎回言われるので一日十回ほど言っていたのが、今ではもうレンブラントの事は一日一回ほどしか言わなくなった。
何故みんなレンブラントの良さと強さが分からないのか、私にとってはそっちの方が疑問である。
さらにあの変態野郎のダグラスの方が良いだなんて、頭は大丈夫なのか? と聞きたいレベルである。
しかも帝国魔術師の中でも魔術師ランキング一位になったかどうか、レンブラントが居ない評価基準でのランキング一位とか本当にどうでもいいし、レンブラントが一位じゃない時点で私からすればそんなもの出鱈目のランキングといでしかない。
そんな事を思いながら私は討ち溢した魔獣を、レンブラントに教えてもらった魔術の数々を駆使して倒していくのであった。
◆
「本当にいいのかしら?」
「何がだ?」
そうリーシャが聞いてくるのですっとぼけて返事をする。
今は既に深夜になっており、リーシャと夜のスポーツをし終えて一息ついたところである。
そんな心地よいまどろみを堪能しているところでふいにリーシャが聞いてくるのだが、それは恐らく今日の昼間の事であろう。
「何をって昼間のことです。 国王陛下の提示した内容もなかなか良いものだとは思うのだけれども、ご主人様が断るという事はそれなりの理由があったのでしょうけど……」
そしてリーシャはそう勘違いしてくれているのだが、ぶっちゃけ今以上仕事をしたくないだけなので大層な理由などあろうはずがない。
しかしながらただ黙っているんだけでリーシャの好感度が上がっているので敢えてここで本当の事を言ってせっかく上がった好感度をわざわざ下げる必要も無いだろう。
「そうだな、それなりの理由があったんだ。 うん」
「それはそうと、今回のスタンピードはかなりの規模らしいですね。 その為か帝都にいつもの賑わいもなく、みんなどこか少しばかり緊張しているのが伝わって来るわね」
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