第47話
「……れーじのせいで…恥かいた……私が…脇腹弱いの……知ってるのに……」
ちょっ、何かそういう言い方されると意味合い変わって…
「どういう状況に陥ると未央音殿の脇腹が弱い事を知る事が出来るんでござるか冷迩殿アァァァァァァァァァァァッッッ!!」
授業も終わり、未央音が先程の出来事を指摘すると盛大に勘違いをした志乃が鬼の形相で詰め寄って来た。
「ちょっ、落ち着けよお前は!!幼なじみなんだし男女でも小さい頃はくすぐり合ったりする事あるだろ!!」
「つまり冷迩殿はロリ時代の未央音殿の脇腹をまさぐったと言う事でござるくぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
会話が成り立たないただのバーサーカーのようだ。
「授業中に何かありましたの?」
「えーっと、まぁ二人がちょっとした小競り合いをね……」
「あぁっ!!こんな時に未央と同じクラスじゃなかったのが本当に悔やまれますわ」
「一葉はもっと別の事を悔やんだ方がいいんじゃない?」
「れーじが……消しゴム忘れて…貸してあげたのに……弱点狙って来るなんて……卑怯…反則」
「でも脇腹突いちゃいけないなんて俺達の喧嘩のルールにないよなぁ!!……ってか志乃!?お前なにノーモーションで分身してんだ……!!……ちょっ…こっち来んな!!」
未央音の言葉に反論しながら冷迩は当たり前のように分身して見せる志乃を相手にしていた。
「志乃っち分身なんて出来たんだ」
「一応くノ一ですものね」
冷静過ぎじゃない?
「どこを見てるでござるか?」
「なっ!?」
一瞬目を離した隙に二人の志乃は俺にドロップキックを仕掛けようと天井スレスレまでジャンプしていた。
この身のこなし、腐ってもくノ一か!!
「ロリの未央音殿の脇腹をいじくり回した罪は重いでござる!!くたばるでござるよ冷迩殿!!」
「馬鹿が!!返り討ちにしてやるよ!!」
「…あれ、何か悪寒が……」
「これでも食らいやがれ!!俺が長年の月日を持って編み出した必殺の………!!」
「あの、冷迩?」
「六炉ガァァァァァァァァァァァァァァドッッッ!!」
ガシッ
「ちょっ、おまっ……それ食らうの俺なんですけど!!?……し、志乃っち?!ストップ!!ストップ!!」
「うわっ…六炉殿!!退くでござるよ!!」
「せめて技名だけでももう少し格好よくして………うぐあぁぁぁぁぁっっっ!!?」
そのドロップキックを見事に顔面に受け止めた六炉は盾としての役割を十分に発揮してぶっ飛んで行った。
「六炉ォッ!!?……よくもこんなひどい事を……」
盾にした張本人の冷迩は自分には非はないと言わんばかりに志乃を睨み付けていた。
「随分とまぁ、今日も綺麗に飛びましたわね……」
「………好きで……飛んでる訳じゃ……コフッ」
「おい、茶番が終わったら早く戻って来いよ、盾がないと攻撃防げないだろ?」
「人の心持ってる?」
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