第27話

「全く、とんでもない目に合いましたわ」



「とんでもないも何もお前が盗撮してるのは事実だろ、未央音はお前の事を信用してるからあれだけどあんまり度が過ぎないようにな」



「だって仕方ないじゃないですか!!未央は一瞬一瞬が可愛いんですから!!その度許可を取っていたらその一瞬を撮り逃してしまいますわ!!未央といつも一緒に居られる冷迩さんには分からないかもしれませんけど!!」



えっ、逆ギレ怖すぎる。



「未央音も、たまにはガツンと言った方がいいんじゃないか?」



「…んー……えへへ……れーじ……気持ちい…」



先程言い渡された刑を執行中、未央音は俺の膝の上で気持ちよさそうに目を細めていた。



「……でも…ひぃ……写真撮るの……上手だよね…私の写真も……凄く良く…撮れてたよ?」



「…そう……ですか…?……ありがとうございます」



「写真と言えばさ…みんな生徒新聞知ってる?」



すると六炉は何かを思い出したかのように机の中に手を入れると2、3枚の紙を取り出し、机の上にそれを広げた。



「おぉ、知ってるでござるよ、何でも生徒新聞と言うだけあってこの新聞が見れるのは生徒だけで教師の目に入った事は一度もないとか言う秘密の新聞でござるな」



「学校七不思議の一つですわね、何でも特殊なインクで印刷されていて教師が手に取ったり視界に入ったりすると白紙になる不思議な新聞って聞いた事がありますわ、わざわざ試した事はないので本当かどうかは分かりませんけど……」



「なんだそれ、そんなの発行されてんのか?」




不思議だの、秘密だの……信憑性に欠ける話しだな、教師が見ると白紙になるって超技術過ぎない?



「未央音は見た事あるか?」



「…れーじ……頭だけじゃなくて……お腹も…撫でて?」



そんな話より撫でられる事の方が余程優先度が高いのか未央音は俺の方に首を向けて見上げると頭に乗っていた俺の手を自分の腹部に移動させた。



「ちょっ、お腹ってお前……」



「…んぅ……れーじ…急に動いたら……びっくりする……優しく…優しく…だよ?」



パァンッ



「かはっ」



「風魅が狙撃されたぞぉっ!!」



「ドクターッ!!」



「……はぁ、それで?その生徒新聞がどうかしたんですの?」



「ん?あぁ、何でも今度写真コンテストやるっぽくてさ、選ばれた写真は生徒新聞に掲載されるっぽいんだけど一葉が写真好きなら応募してみたらどうかなってね♪」



「別に応募するのは構いませんがどうせやるなら皆で色々な写真撮って応募しませんか?」



「へぇ、面白そうでござるな!!そういう事なら私も一枚撮って応募するでござるよ!!」



「因みにテーマ等はありますの?」



「んー?いや、好きな写真撮っていいみたいだよ、ランキング形式で生徒が選んで投票した上位三枚の写真と新聞部の部長がお気に入りの一枚が掲載されるっぽいね、投票は新聞部のHPから出来るみたいだから後でURL送っとくね」



「……お、おい未央音?みんなで何かやるみたいだぞ?……ゴフッ……俺達も聞いておかなくていいのか?」



「…もっと…れーじ……ほっぺ……ほっぺも…撫でて?」



「ちょっ、分かった!いくらでも撫でてやるから!!」



「………んみ…♪」



「ってか何で冷迩吐血してんの?数分目を離した隙に何があった?」



可愛さのヘッドショットをその身に受け、かろうじて意識を保ちつつ、俺は未央音の満足が行くまで両手でその柔らかい頬を撫でていた。

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