空色ってなんだろう

いろいろ

　空色ってなんだろう。

　太陽は呟きました。空色も、宙色（そらいろ）も、太陽はわかりません。

　そもそも、色ってなんだろう。太陽は、他の惑星を見ても、ただ真っ白で、そもそも見るなんてこともわかりません。

　それを聞いた水星は、空色は綺麗で澄んだ青色だよ。天王星の色だよ。と、答えました。

　太陽は、より体を傾けました。天王星ってなに？

　金星は答えました。体がガスが出来ていて、火星より向こうにあるんだ。

　太陽は、火星は知っていましたが、それより向こうがあることを知りませんでした。それから、太陽は、空色を見たいと思い、どうすれば色を見れるか聞いてみることにしました。

　それに答えたのは地球です。地球は、君は色を見ることは出来ないと答えました。だって、君は眩しすぎるから。

　太陽は、少し悲しい気持ちになりました。僕は、色を知ることが出来ない。でも、僕が暗くなったら、地球が困る。どうしようと考えました。

　それに答えたのは火星です。君にも色を見ることは出来るよ、だって、黒点があるでしょう？

　最初、太陽はなんの事かわかりませんでした。ですが、少し意識するとはっきり分かるのです。今まで見れなかった物が見えました。

　そう、黒点は少し温度が低くて暗いので、ちゃんとものを見ることが出来たのです。太陽はとても喜びました。

　でも、また太陽は悲しみました。太陽の光は、火星を僅かに照らすばかりで、空色は見えません。

　そこで、地球はまた答えました。ほら、僕を見てみて！

　そこには、彼の求めていた綺麗な空色がありました。次に、金星も答えます。

　大丈夫、遠くて小さく見えるけど、もう少しすればみんながどけてくれて、天王星も、土星や木星や海王星も見ることが出来るよ。と。

　最後に水星は答えます。宇宙はとっても綺麗でしょう？でも、綺麗なのは君のおかげ。君がいつも僕たちを照らしてくれるから、空色が出来て、僕達も美しく輝ける。ほら、みんなを見てみて！

　太陽は、それから沢山の星を見ました。遠く遠くの、豆粒程の星でも、たまにきらりと光り、太陽に飽きる暇（いとま）を与えません。

　あれはなに、これはなに！と、質問する太陽に地球型惑星のみんなはとても楽しそうに答えます。

　そうして、宇宙に輝く太陽は、今まで以上に、いっそう強くみんなを照らし、楽しく暮らしました。