第4話

 さんまからお兄ちゃんがいなくなったことを聞いた。ぼくはすぐにあの場所が思いついた。ぼくたちは毎日のようにあそこを通る。そこからはたくさんの猫の鳴き声がする。どこか不安で悲しげで怒っている。ぼくにはそう聞こえた。さんまの兄弟を助けたい。その一心で、仲間に助けを求めようと、気が付いたら走っていた。


 「ぼくの友達が困っているんだ…!みんなの力を貸して!どうしても助けたいの。」


 話を聞いた大イワシ達は耳も傾けてくれなかった。


「友達って毎日話してる猫の事だろ?」

「あんたの友達ってあいつしかいないもんな。ほんと食われちまうぞ。」

「いつまで友情ごっこは続くかな笑」


 ぼくは悔しかった。でもぼくみたいな小さなイワシ一匹では何もできない。ぼくは自分の無力さに悲しくなった。


 「なによその言い方!腹立つわね。」


 そこに現れたのは年の離れた姉さんたちだった。


 「子供相手にひどいわ。大人しくて弱弱しかったプラクが一生懸命お願いしてるのに耳も貸せないの?」


 よほど姉さんの言葉が効いたのか大イワシ達はすっかり黙ってしまった。

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