第6話 昼休みは幸せな時間

入学式を終えて数週間経ち、八木くんは保健室に来るため毎日保健室登校をするようになった。国清高校は保健室登校で出席を認めてくれたので、八木くんはストレスフリーで保健室に通うことができたのだった。

花岡先生は八木くんに学校がある日に無理して毎日来なくても大丈夫だよと声を掛けたが、八木くんは先生と話したいからと、毎日保健室に来ている。

でも、花岡先生も八木くんも一定の距離感をとって過ごしている。

決してお互いが嫌がらない距離感で話している。

先生の邪魔にならず、そして生徒の勉強の邪魔にならないようにお互いが違うことをしている。

八木くんは、昼ごはんは購買で買ったパンを校庭の隅っこで食べていたが、寂しくなり今では保健室のソファで食べている。

今日は昼休みに久しぶりに花岡先生が自分で作ったお弁当を取り出し食べていたので、八木くんは先生のいる机からすぐのところにあるソファに座って空間上は一緒にご飯を食べている感じがあってちょっと嬉しくて八木くんは微笑んだ。

すると花岡先生は笑い返して言った。

『どうしたの?八木くん。何かいいことでもあった?』

すると八木くんは持っていたクリームパンを食べ終わってから言った。

『先生、僕一緒にご飯が食べれて嬉しいです。1人で食べるよりも2人で食べると美味しさが増します。僕これからも先生と一緒にご飯を食べても良いですか?』

花岡先生は少し考えてから言った。

『良いけど、でも高校生と私みたいなひとまわりも年齢の違う先生とご飯なんか食べて平気かな』

八木くんは言った。

『先生は何歳なんですか?僕より年上ですか?』

花岡先生はフフッと笑い、言った。

『私はあなたより全然年上よ。でも、最近の子は今勉強してるとか言う時、勉強なうとか使わないでしょ。最近なうなう言う子とか見ないもの。ちなみに私は30歳よ。意外と歳いってるでしょ』

八木くんはえっ⁈と驚き言った。

『勉強なうは時々使いますよ。あとはやばいとか使いますね。でも、先生が30歳なんて信じられません。普通に大学生くらいに見えました』

花岡先生はお弁当の卵焼きをパクりと食べて言った。

『顔面偏差値が大学生だって言うのは必ず言われるわ。化粧をあんまりしてないからかもしれないけど。でも、八木くんにしかも高校生から大学生に見えるって言われるのは、本当に嬉しい。ありがとう、八木くん。でも、私の年齢は内緒にしといてよね。恥ずかしいから』

八木くんは、はい。と返事をして言った。

八木くんは秘密を必ず守るタイプの子だった。

花岡先生のことが1つ知れることが八木くんは嬉しかった。

八木くんは、昼休みの1時間で先生と僕しかいないこの空間がとっても僕にとって幸せなものだった。

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