第7話
今日は僕とリンの二人で森にやってきた。目的はフォレストスパイダーの糸のラーニングだ。
フォレストスパイダーは50センチメートルほどの大きさで、集団で罠を張って自身よりも大きな獲物を狩る習性がある。獲物が罠にかかると麻痺毒を注入して、動けなくしてからコロニーに持ち帰る。コロニーには1体のクイーンがおり、数体の親衛隊、その他の働き蜘蛛がいる。
途中でゴブリンやオーク、コボルト、ファングボアなどのFランク、Eランク、Dランクのモンスターが出たが、サクッと撃退した。
やっとフォレストスパイダーを見つけることが出来たが、様子がおかしい。1体のフォレストスパイダーに5体のフォレストスパイダーが攻撃をしているように見えるのだ。
攻撃を受けている1体のフォレストスパイダーは色素が抜けたような真っ白であり、突然変異体なのだろう。多分異物と判断されてコロニーから排除されたかな。
多勢に無勢といった感じで傷だらけになっていたので、突然変異体の味方をして5体のフォレストスパイダーを倒した。傷を治すために回復魔法を掛けてやった。
「ねえ、大丈夫だった?」
『・・・・・・・』
まだ若い個体のようで、念話が出来ないのか、言葉を理解できないのか。
念話の要領で、感情を突然変異体へ飛ばす。感謝の感情が帰ってきた。一応知恵はあるようだ。
コロニーから排除されたということは、これから1匹で過酷な生存競争を生きていくことになるだろう。であれば、テイムして一緒に暮らす手もあるなと思った。
「リン、家に来ないか説得してくれないか?」
『うん、わかったー』
こういうことは、同じ魔物同士のほうが話が早いだろう。
リンが突然変異体のとなりまで跳ねて近づいていく。となりまで行ったところでなにやらピョンピョン跳ねている。そのまま数分が経過した。
『とりあえずついていくってー』
「じゃ、家に帰ろうか。君の名前は今日からルナだよ」
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村にルナを連れて帰ったときはちょっと騒動になった。無害に近いスライムであるリンはすんなり受け入れられたのだが、やはりフォレストスパイダーともなれば警戒された。
村人を説得してまわって、全責任を僕と父さんが取るということを前提にやっと納得してもらえた感じだ。
ルナのおかげでフォレストスパイダーの糸についてラーニング出来た。糸にもいろいろ種類があって、服に適した糸や、防具に適した糸、攻撃に適した糸、拘束に適した糸、粘着質な糸があったのだ。某蜘蛛男の挙動も真似できるようになった。野生のフォレストスパイダーではここまでいろいろな種類の糸はラーニング出来なかったと思う。
その日から、寝る前にはリンとルナに魔力を限界まで渡してから寝ることにした。
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